退院困難な患者に対する取り組み

最終更新日:2018年5月23日

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言語聴覚士コラム

退院困難な患者に対する取り組み

2016.11.02

地域包括ケアシステムは地域と住民レベルで患者を抱え、ケアに取り組むことを前提とした仕組みだ。慢性期病床を可能な限り縮小し、急性期病床へと移行させる傾向もある。
しかし、高齢化の進展とともに増加した帰宅困難な患者には継続的、かつ積極的な治療が必要だ。入院期間の短縮化を図るにしても、そうした患者の健康状態を回復に導く手立てがなければ話にならない。
それには病気の治療としてのケアと、身体機能の回復が急務だ。ここで、言語聴覚士が大きな役割を期待されるのである。
言語聴覚士は職務の特性から老人ケアに関わる機会が多い。老年性の聴覚障害、嚥下障害、吃音・音声障害・運動性構音障害などからの回復を目指すならば、機能回復訓練には言語聴覚士の力が必要なのだから。

退院困難な患者の特徴

退院困難な患者の多くは「老年症候群」を発症しているか、または帰宅しても介護の担い手が不在である点が共通していた。退院困難である患者を帰宅可能にするには「老年症候群」の症状緩和や機能回復が不可欠ということだ。
しゃべること、食べることは患者本人の生きる意欲を大きく左右する。これらの機能不全の原因に対するアプローチも言語聴覚士の職分だ。入院患者に対する機能維持・回復訓練を通してコミュニケーション能力を取り戻すだけでも、患者が帰宅できる可能性はぐっと高くなる。
今後の医療と患者の人生品質を守る一員として、言語聴覚士ができることをどんどん見つけ出し、活躍の場を広げていってほしい。それが患者のためであり、また、言語聴覚士の価値を高める努力であると考える。

病院と介護のはざまにある「言語聴覚士」の働き方

病院勤務の場合、言語聴覚士の提供するリハビリケアにも一定の成果が求められるはずだ。病院はあくまで治療の場であり、定期的な成果の評価と切り離すことはできない。
老人性の慢性的な機能障害を抱える患者の場合、たとえ治療が必要であっても病院付属の老健施設などへ移管されるケースが増えていると言う。医療行為の内容に反復性が高い患者については、医師の指示による遠隔治療が可能なのだ。
多くの老健施設は医療行為を特別なサービスとして計上するが、病院付属の施設であるならば治療の提供は最初から想定されている。経営母体が病院であれば、言語聴覚士も所属先を選べる可能性が高い。
継続的かつ積極的な治療が必要な患者の帰宅は困難なため、このようにして病院か病院の付属施設に留まる必要がある。だが、容体が安定して家族に患者のケアを委譲できるようならば帰宅も可能になるはず。
言語聴覚士は「しゃべること」を助けるだけではない。「生きること」の最も根底にある食べる機能。それによって得られる喜びを患者に与え、患者家族に介護の知識を提供したり、その精神的、体力的負担を軽減したりという役割も期待されているのだ。また、その存在は病院と家庭をつなぐものでもある。

患者の多くは家に戻りたいと望みながら、病床の孤独に耐えている。たとえ声を発せない状態であっても同様なのだ。 この点を忘れずに患者や患者家族と向き合う必要があるだろう。

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