言語聴覚士として失語症患者と向き合う

最終更新日:2018年10月23日

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言語聴覚士コラム

言語聴覚士として失語症患者と向き合う

2016.08.22

言語聴覚士はさまざまな理由から言葉を話すこと、聞くことが難しくなった患者を支え、また、摂食機能に関する問題にも対応する仕事だ。
脳血管障害などの後遺症で失語症を抱えた患者との結びつきは強い。
昨年度には静岡県の県言語聴覚士会が失語症患者のための会話パートナーの養成を始めた。
日本には推定50万を超える失語症患者がおり、世の中の誤解や支援体制の不備によって孤立していると言う。
言語聴覚士の資格を持つ人材であっても、キャリアの浅い世代ではいきなり現場で失語症患者と出会って戸惑うケースもあるようだ。

平均寿命が伸び続けている現在、私たちは誰もが脳血管障害等の病気から失語症を発症する危険性を秘めている。知らなかったでは済まされない。失語症患者のリハビリを担当する言語聴覚士は失語症患者と社会の橋渡しをし、社会参加を促す役割もあるのだから、なおさら責任は重くなる。
1人1人が「失語症」という症状について学び、患者との接し方を会得しておかなければならない時期に来ているのではないだろうか。

失語症患者に対する「誤解」はどうして生まれるのか

失語症では自分の意志を言葉で表現する機能や摂食能力に問題が発生し、コミュニケーションに支障が出る。
失語症患者に対する誤解とはイメージ的なものなのだ。
上手く会話ができない。つまり、思考能力も低下しているのだろうと言う思い込み。これが失語症患者に対する誤解の元であり、失語症患者の社会参加を阻む結果につながっている。
あくまでコミュニケーション能力の問題であって知的障害とは違うものだと改めて認識を強くする必要があるだろう。

言語聴覚士が失語症患者を正しく理解し、会話パートナーとして介在することで、失語症患者の社会性向上や生活の改善を目指せると言う。
失語症患者は思考と発言が一致しなくなるケースもあるので、リハビリには周囲の理解と協力が欠かせない。言語聴覚士には社会全体に失語症への理解を広める役割もある。まずは自分自身が患者に寄り添い、人と人としての信頼関係を築くことから始めてほしい。

患者のケアで最初に徹底すべきことを確認しておこう

失語症患者のケアを始める際に徹底すべきことを確認しておこう。まず念頭に置くべき点だが、患者と患者家族が失語症の知識を持っていない可能性がある。
近年は病院が入院期間を短縮したがる傾向が強く、十分な説明が提供されないまま退院を余儀なくされるケースが多いのだ。
そこで、患者本人と患者家族に向けた失語症の説明。リハビリの説明。お互いの意思確認が最初にあるべきだと考える。
患者家族が失語症との向き合い方を知るだけで患者のリハビリ環境が大きく改善する可能性があるうえ、患者家族の負担が軽くなるはず。これによって患者と患者家族双方の精神的ストレスを減らせるメリットは大きい。

突発的な発作から失語症になだれ込んだ場合、患者本人が誰よりも強く戸惑っているはずだ。
理解はできるのに話せない、意見を伝えられない。思考は以前の通りなのに肝心の言葉だけが出てこないのである。そんな状況に最も焦りを感じているのは患者本人であり、最も苦しんでいるのも患者本人に他ならないのだ。
そのことを念頭に置いて信頼関係を築き、患者への理解を深めたい。もしも自分がその立場だったら何を考えるか、どうしてほしいか考えてみるといいだろう。

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