聴覚障害の診断に脳波検査が義務付けされる

最終更新日:2018年9月26日

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言語聴覚士コラム

聴覚障害の診断に脳波検査が義務付けされる

2014.11.30

10月30日、厚生労働省の有識者検討会が不正な手段による身体障害者手帳取得を防止するための報告書をまとめた。
報告書には、聴覚障害かの診断の正確性を高めるために、聴力を測定できる脳波検査を義務付けるべきだとある。
これは両耳が聞こえない作曲家として活動していた佐村河内守氏の問題を受けての判断だ。
聴覚障害者の補佐に尽力する言語聴覚士にとっても関心の強いニュースだと言えるだろう。

佐村河内問題

佐村河内守氏の問題は聴覚障害を持つ方々や言語聴覚士だけではなく、世間全体を騒がせたニュースとして記憶に新しい。
2002年に両耳が聞こえないとして、作曲家として知られていた佐村河内氏は聴覚障害2級の判定を受けていたが、今年の2月に聴覚障害が治っていたことを告白、障害者手帳を返納した。
この事件を受けて、これまで実施されていた自己申告や聴力測定を主体とする既存の検査方法に問題があるのでは、と指摘を受けることに。

脳波検査でより正確な診断へ

聴覚障害者は2~6級に区分されていて、数字が小さくなるほど程度が重いと考えられている。
報告書によると、聴覚障害の区分の中で最も程度が重く、全聾に相当する2級の診断に限り脳波検査の実施をすべきとある。
ただし、聴力は徐々に低下していくケースが多いことから、過去に2級よりも軽度の聴覚障害があると診断された方は脳波検査の対象外だ。
報告書を踏まえて、厚労省は自治体に通知し、来年度からの義務付けを目標としている。

再チェックは実質不可能

この新しい検査方法には問題がある。
これから2級診断を受ける場合にのみを対象としている点だ。
つまり、既存の2級保持者の再検査は行われない。
検査機器の少なさ、指定医の人数から再検査は困難で、実質的には不可能だと言っても良いだろう。
しかし、これでは第二、第三の佐村河内が生まれる可能性を払拭できない。

今回の報告書にある「脳波検査を用いた聴覚障害診断」は身体障害者の尊厳を守るためにも必須だ。
しかし、再検査を実施しないという事実は、批判や不満の大きな原因となるのではないだろうか。

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