喉頭がんで声帯を失っても、声を取り戻す

最終更新日:2018年5月23日

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言語聴覚士コラム

喉頭がんで声帯を失っても、声を取り戻す

2015.08.10

今年4月に音楽プロデューサーのつんく♂さん(46)が喉頭がんの治療のために声帯の摘出手術を受けたのはまだまだ記憶に新しいのではないだろうか。
国内での喉頭摘出者(喉摘者)は推計2~3万人。
声帯を失った喉摘者が声を取り戻すには、食道で声を出す技術(食道発声)を習得したり、人工喉頭装置を装着するほか、近年では手術で食道に弁を取り付ける方法(シャント法)なども注目されるようになり選択肢が広がっている。

喉頭がん

国内の喉頭がん罹患率は人口10万人あたり約3人。
同じ気道系の癌である肺がんと比較するとその発生率は低いが、症状が進行した場合や再発した場合には手術で喉頭を摘出するため発声機能を失う。
特に喫煙によってリスクが高まり、喉頭がん患者の96.5%は喫煙者で非喫煙者は3.5%に過ぎず、近年では最も予防しやすい癌とも言える。
発病のピークは50代以降~60歳代後半で、男性が女性の約10倍以上と圧倒的に男性に多い一方で、喫煙女性にも発癌率が高くなっている。

無喉頭での発声法の種類

従来の発声法としては、声帯の代わりに食道を振動させることで比較的自然な声を出せる食道発声法が多いが習得は難しく、特に高齢者には時間を要する。
電動式人工喉頭による発声(EL発声)は習得が容易なために早く職場復帰をしたい場合に選ばれることが多いが、機器の携帯が必要で、機械的な音にしか聞こえないなどのデメリットもある。
最近増えているのが手術で気管と食道を短いチューブでつなぎ、チューブを通して肺からの空気で声を出すシャント法の選択だ。
練習期間が短く手術前と変わらない感じで声が出せる。
しかし、チューブの掃除や買い替えなどに毎月の維持費がかかるデメリットがある。

ボランティア活動や自治体の助成制度なども

喉摘者を支援する公益社団法人「銀鈴会」(東京都港区)では、患者のレベルや発声法に分けて発声教室を開いている。
実演を交えたマンツーマン指導を行うのはボランティアだ。
個人差はあるが、同教室では食道発声法を練習した患者は平均1年ほどで会話ができるようになるという。
自治体も喉摘者向けの助成制度を設けており、本来1台7万円程度する電動式人工喉頭は、自治体補助を使えば自己負担1割ほどで購入できる。
一方で、近年増え始めたシャント法は、チューブの維持費に毎月2万円程かかるが、助成制度を設けている自治体は東京都世田谷区などの全国約50市区町村に過ぎず、シャント法の普及に取り組むNPO法人「悠声会」(東京都町田市)では新しい助成制度創設を自治体に働きかけている

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