リハビリを支える地域包括ケア病棟

最終更新日:2018年11月18日

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言語聴覚士コラム

リハビリを支える地域包括ケア病棟

2015.07.29

日本は世界的に見て前例のないスピードで高齢化が進んでいる。
現在、65歳以上の人口は3000万人を超える25%に及んでいるが、高齢者の割合はさらに進んで行く。
2025年には団塊の世代が75歳以上となることから、看護師が25万人、介護職員は30万人不足するだろう。
医療の助けを求める高齢者が増加することは間違いない。
入院加療を求める要介護者の需要を満たすだけのキャパシティに欠ける現状と、予測される危機を回避するために考案されたのが「地域包括ケア構想」だ。
この構想によって作られたのが「地域包括ケア病棟」で、理学療法士、言語聴覚士、作業療法士といったリハビリ専従スタッフが必ず配属される決まりになっている。

理学療法士が活躍する「地域包括ケア病棟」

地域包括ケア構想は、重度の要介護状態になった高齢者でも住み慣れた土地で暮らし続けられるように「包括的に」環境を整えることが目標だ。
地域包括ケア病棟では、収容した患者の自宅復帰を助ける理学療法士の役割がより重みを増す。
亜急性病棟が廃止されたため、急性期を脱した患者の受け入れ先もまた地域包括ケア病棟となる。入院加療と並行して管理されたリハビリテーションを提供する地域包括ケア病棟なら、患者の入院期間の短縮化を目指すことも不可能ではない。
しかし、やはり地域包括ケア病棟の入院患者の大半は高齢者が占めると思っていいだろう。高齢者の場合は認知症も併発しているケースが多く、言語聴覚士としても認知症患者への専門的な対応を学んでおく必要がある。

地域包括ケア構想の問題点

高度な治療を行う医療機関と在宅介護を受ける患者、つまり、地域とを結ぶのが地域包括ケア病棟の役割だ。
この構想が2025年までに完成すれば、施設に入所できない為にサービスを受けられない介護難民、医療難民の割合も減るだろうと期待したい。
だが現実問題として、現在の状況にはいくつかの問題が立ちはだかっている。

■ 人材確保が難しい
日本の医師不足は今に始まったことではないが、地域包括ケア病棟の場合はさらに必要人数が集まりにくい条件となってしまっている。
まず、地域包括ケア病棟となるにはある程度の規模が必要だ。そこに集まる患者のケアを適時提供してくには介護、リハビリを担当する理学療法士、作業療法士、言語聴覚士も相当数必要になるが、その確保の壁として費用の問題が立ちはだかっているのだ。
評価計算によると、地域包括ケア病棟は救急病棟などに比較して点数が低く、収入もその分少ない。人材を確保するにはこの問題解消が前提条件となるだろう。

■ 周知が不十分である
もう一つの問題が、「地域包括ケア病棟」の存在があまり知られていないことだ。
日本理学療法士協会が行った「地域包括ケアシステムの国民の認知度」調査によると、地域包括ケアシステムを認知している割合はわずか23.8%に過ぎない。
高度な医療施設と地域をつなぐ二次医療圏の形成が「地域包括ケア構想」の柱であるならば、この数字は望ましくない現状を物語っている。
地域の自主性や主体性を育て、地域が一体となってケアシステムを構築して行くためには、地域包括ケア構想についてのより積極的な広報が必要だ。

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