脳血管障害とリハビリの新事実

最終更新日:2018年7月20日

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言語聴覚士コラム

脳血管障害とリハビリの新事実

2015.06.29

言語聴覚士は患者のリハビリテーションに関わる。
失語症などの言語障害、嚥下障害に対応する仕事だが、対象の患者が患う病気によっては特定の配慮が必要なことが少なくない。 例えば、脳卒中による後遺症の場合だ。 旧来のリハビリテーションでは、脳卒中の後遺症によるまひは、発症3~6か月以降ほとんど改善しないと言われてきた
そのため、それ以降のリハビリでは機能の復活を目指すのではなく、残存する能力を活かして代替する訓練をするのが通常の手順だったのだ。
しかし近年の脳科学の進歩は、これまでの常識が誤りであったという証明に至った。
脳卒中の発症から6か月目以降であっても、リハビリテーションを続けていればまひした部位が実用性を取り戻す可能性がある。 この事実は今リハビリに取り組んでいる患者や、これから取り組む患者、そして、彼らを支える言語聴覚士にとってとなるだろう。

働き盛りの中高年ドライバーに脳卒中発症が増えている

脳卒中は何時発症するか推測できない疾患だ。
しかし、発症者の状況を集積すると、脳卒中を発症する状況共通点を見出すことが出来る。
そのようにして導き出された「共通する状況」は、ビジネスドライバーが「運転中に脳卒中を発症する」ケースが多いと言う物だった。
車両運転中の脳卒中の発症は非常に大きなリスクをはらんでいる。
急激に脳卒中の症状が現れた場合、発症者はハンドル操作もかなわないまま進行方向に突撃することになるだろう。
本人の病状が悪化するのはもちろん、新たにケガをする可能性も高い。
まだ自分ひとりの自損事故で済めば幸運な方で、悪くすれば通行人や周囲の車両を巻き込んだ大事故に発展するかもしれないのだ。 事実、今年になってからもそのような事故が発生している。
なぜ中高年職業ドライバーでこのような事態に陥る数字が増えているのかと言うと、原因の一つにはドライバーという仕事の過酷さがあるように思う。 例え体調が悪くても、彼らは決められた期日までに荷物を届けなければならない。
無理を重ねて運転を続け、脳血管障害、脳梗塞、脳卒中などを引き起こして事故を起こしてしまうのだ。
2014年度には254件のそのような事故が起こっており、脳血管の障害を示したのはその中の51件に及んだ。

反復性経頭蓋磁気刺激療法によるリハビリ

欧米で、まひ、うつ病、痛み、統合失調症と共に失語症の治療にも用いられる手法に「反復性経頭蓋磁気刺激療法」というものがある。
これは神経の障害度を電流で測定し、電流によって形成した磁場で脳の神経細胞を刺激して病巣周辺の組織における神経細胞の活性化を目指すものだ。
実際にこの治療法を用いた患者で、6日目に急激に変化が起こったと言うケースが報告されていると言う。
まひと硬縮が重度な場合は、ボツリヌス毒素療法を併用して刺激療法の効果を出やすくしておくという工夫も可能だ。
働き盛りの中高年世代で脳卒中に倒れるのは絶望に値する苦難ではあるだろう。
しかし、これまでの常識に惑わされず、新しい常識と、新しい治療法に希望を持ってリハビリに取り組んでもらいたい。
日本ではまだまだ馴染みが薄い手法であっても、海外ではすでにごく普通に用いられている治療法が少なくないのだ。
たとえ発症から6か月が経過していようとも、希望を捨てるにはまだ早い
辛いリハビリと向き合う患者にそう声をかけられるのは、共に努力する言語聴覚士を置いてほかにいないのではないだろうか。

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