食道発声訓練へ国の支援を

最終更新日:2018年5月22日

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言語聴覚士コラム

食道発声訓練へ国の支援を

2015.05.29

「シャ乱Q」ボーカルであり音楽プロデューサーとして活躍するつんく♂(46)が、母校である近畿大学(大阪府東大阪市)の入学式にサプライズで登場し、自身の喉頭声帯がんと、それによって声帯を摘出したことを公表したのはまだまだ記憶に新しいのではないだろうか。
歌手が声を失うという悲劇をどのように受け止めたのか、人生の晴れ舞台ともいえる入学式の場に、涙を浮かべる学生の姿が多数目撃された。
彼らにとっては学校の先輩であり、人生の先輩であるつんく♂の物語だ。
祭典のような雰囲気で浮足立っていた青年たちの中に、彼の声なき語りかけをきっかけとして真剣な張りつめた空気が流れた。
後になって、「つんく♂氏をすごいと思う」「頑張ろうと思った」などという感想を述べた学生も少なくない。

声帯は人が声を発するために欠かせない器官だ。 しかし、現代では咽頭がんの罹患率が高くなっている。
声を失う人を少しでも減らす取り組みとして、声帯摘出後の食道発声訓練が勧められるようになった。

食道発声訓練とは

食道発声訓練とは、文字通り声帯の代わりに食道を震わせてしゃべる訓練をすることだ。 「食道発声」は本来の機能とは違う食道の使い方をするために、なかなかに習得が難しい。
病気や手術の種類によっては、訓練の開始から終了までに数年間かかってしまうこともあるのだと言う。 しかし、声帯を失った人物が社会復帰を果たすためには不可欠な訓練であることは間違いない。
とはいえ、医学的見地からすれば、手術の成功によってその人物は「日常生活を送ることが出来る」状態に回復した、とみなされてしまう。 そのため「食道発声訓練」は保険適用外のリハビリということになる。
これに対しては医師からも「本来は、国家資格である言語聴覚士がやるべき仕事」と指摘する声があがるなど、現状が声帯摘出者に対して非常に厳しいものであることは明らかだ。

いずれ国による支援が約束されるまで

がんなどの疾患が進行してから見つかった場合、声帯摘出は免れ得ない。
そうすれば自力で社会適応訓練を行わなければならず、国による支援を受けられない現状では多大な苦労が伴うことだろう。
もしかしたら将来、医療保険でカバーされる訓練に指定されるかもしれないという可能性はある。
だが今のところその気配は見られない。
であるならば、なるべく声帯摘出そのものを避けるようにリスク保持者も備えなければならないのではないか。
喉頭・咽頭がんを早期に発見するためのいくつかのサインを把握しておいて欲しい。

・ のどの痛み
・ 声の枯れ
・ 飲食物を飲み込むときの痛み

この3つががんを発見するためのサインだ。
長引く風邪と間違えられがちだが、少しでも変だと感じたならばすぐに病院で検査を受けたほうがいいだろう。

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