人工呼吸器装着患者に声をもたらす「電気喉頭」

最終更新日:2018年9月22日

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言語聴覚士コラム

人工呼吸器装着患者に声をもたらす「電気喉頭」

2015.01.22

声を失った方々に新たな光が見えた。
喉頭手術によって発声が出来なくなった人に声を授ける「電気喉頭」と呼ばれる医療機器があるのだが、これを利用することで人工呼吸器装着患者でも発話が出来るようになるかもしれない。
言語聴覚士は人工呼吸器装着患者の口腔ケアなどで特に触れ合う機会が多いだろう。つまり、彼らのストレスに直面するシーンも少なくないということだ。
今回の報告が患者当人はもちろん、言語聴覚士の職場環境にも影響を与える可能性がある。

報告の内容

今回の報告はオランダのアムステルダムにあるVU大学メディカルセンターのArmand Girbes氏が行っている。
Girbes氏は、肺手術後に人工呼吸器を装着した患者が話せなくなったことで苛立ちを覚えていたことを知り、電気喉頭を思い浮かべたと言う。
人工呼吸器装着患者は電気喉頭を使って数分間練習すると、理解可能な言葉を発するようになっていった。
「集中治療を受ける重篤な患者の声を聴くことは実に感動的だった」とGirbes氏は話している。

そもそも電気喉頭とは

喉頭ガンによって声を失った患者に対し、言語聴覚士は以下の3つの選択肢を与えることが出来る。

●声帯の代わりに食堂の粘膜を震わせて音を出す「食道発声」
●器官と食堂の間に器具を埋め込み発声を助ける「シャント発声」
「電気喉頭」を喉にあてて声を出す

しかし、食道発声は長期のトレーニングを必要とし、痛みを伴う場合もある。シャント発声は新たに手術をしなければならないことと、定期的な器具のメンテナンスも必要で、デメリットが大きい。
そのため、言語聴覚士としても電気喉頭を使った発声法を推奨することが多く、患者にとっても負担が少ないので選択されやすいと言えるだろう。

電気喉頭は懐中電灯のような形をしている円筒形の器具。これを喉頭があった位置にあててボタンを押すことで、皮膚に接する部分が振動して声となるものだ。
電気喉頭自体は1920年代に初めて開発されたもので、特別新しいものではない。
しかし、今回の報告は新しい電気喉頭の使用法となるため、注目が集まっている。

これからの課題

今回の報告によると、電気喉頭の副効果、以下の可能性があるとGirbes氏は述べている。

●ストレスの軽減
●鎮静剤の使用減少

集中治療室の患者はせん妄や過鎮静がしばしば問題視されるが、電気喉頭によってこれらのリスクを減少させることができるかもしれない。
しかし、現状では仮説に過ぎず、裏付けには更なる研究を重ねる必要がある。

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