脳震盪、受傷後の適切な対応が不十分な実態

最終更新日:2018年12月14日

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診療放射線技師コラム

脳震盪、受傷後の適切な対応が不十分な実態

2018.07.24

米国疾病管理予防センター(CDC)によると、米国では推定320万~530万人が外傷性脳損傷(TBI)が原因となる長期障害を抱えている。

2013年の米国での救急受診のうち280万件をTBIが占め、直接的、間接的費用は760億ドルを超えるともしている。

このTBIの一種で、頻繁するのが『脳震盪』だ。しかし、米南カリフォルニア大学の研究チームによって、TBIを起こしているにもかかわらず、患者の多くは適切なフォローアップ治療を受けていないという研究報告があった。

同研究結果は、5月25日付けの「JAMA Network Open」(電子版)に掲載された。

『脳震盪』後の適切なフォローが行なわれているのかは不明

軽度TBI患者における退院後の治療について調べた研究は少なく、適切なフォローが行われているかどうかは不明だった。

そこで今回、同研究チームでは、米国のTransforming Research and Clinical Knowledge in Traumatic Brain Injury(TRACK-TBI)研究のデータを用いて、軽度TBI患者(対象は、2014年2月~2016年8月に登録された患者)が退院後どのようなフォローアップを受けたかを調査した。

※TRACK-TBI研究…米国内にある11の高度外傷センター救急部門に搬送されたTBI患者(17歳以上が対象)の前向き長期観察研究。

半数以上が受傷後3ヶ月には診察受けず

対象となった患者(831人、平均年齢40.3歳、女性58%)のうち、退院時にTBIに関する患者教育用資料を受け取った患者は42%(353人)、受傷後3ヶ月に医師などの診察を受けていた患者は44%(367人)のみであった

また、CTスキャンで脳損傷が認められた患者(236人)のうち39%(92人)は受傷後3ヶ月でも医師などの診察を受けていなかった。

さらに、3つ以上の中等度~重度の脳震盪後症状があった患者(279人)のうち、受傷後3ヶ月以内に診察を受けていたのは52%(145人)に過ぎなかった。

「軽度」でもフォローアップを

脳震盪を起こした患者には長期にわたり後遺症としての片頭痛や思考力の低下、視力低下、記憶障害、精神的苦痛、人格障害、衰弱などがみられることがある一方で、今回の調査結果では、著しい脳震盪後症状があった患者でも診察を受けていない患者が多かった

これは、脳損傷後に、患者や医療従事者にフォローアップへの認識不足が見られることを反映したものとも推測される。

脳震盪は分類上では「軽度」とされることが多いが、脳震盪が軽いけがであるかのように扱うのではなく、フォローアップ治療が必要な患者を適切に特定するための医療技術も必要になっている。

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