『SENDA/BPAN』、小児期の頭部MRI画像に特徴歴な所見を示す

最終更新日:2018年7月21日

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診療放射線技師コラム

『SENDA/BPAN』、小児期の頭部MRI画像に特徴歴な所見を示す

2018.06.15

国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は5月30日、佐々木征行氏(NCNP病院小児神経診療部部長)および石山昭彦氏(同医長)、佐藤典子氏(同放射線診療部部長)、西野一三氏(神経研究所疾病研究第一部部長)らの研究グループによって、脳内の鉄沈着異常症「NBIA」の一型である『SENDA/BPAN』における小児期の頭部MRI画像には、「淡蒼球」、「黒質の対称性の腫大」、「高信号が一過性に出現する」という特徴があることが分かったと発表した。 同研究成果は、「Neurology」(電子版)に掲載された。

脳内の鉄沈着異常症「NBIA」の一型である『SENDA/BPAN』

「NBIA」は、中枢神経において鉄沈着が生理的範囲を超えて沈着する疾患群を指す。

『SENDA/BPAN』はNBIAの一型で、2010年前後に新たに提唱されてきた病型だ。小児期から精神運動発達遅滞が認められるが、数十年間は非進行性の経過をたどる。

そのため、小児期では脳性麻痺や原因不明の発達障害と診断されている例も多いと言われている。

その一方、成人期では、20~30歳代でジストニア、パーキンソニズムを発症し、頭部MRI画像において特徴的な「淡蒼球」、「黒質」に鉄沈着を反映した所見を呈することも知られている。

オートファジー異常による神経変性が生じる

小児期では、非進行性で特徴的な臨床症状はなく、これまで検査所見でも頭部MRI画像を含め特徴的な所見を示さないとされてきた。

SENDA/BPANは、2013年に『WDR45』(オートファジーの調整因子)の遺伝子変異があることが明かになり、オートファジー異常によって、神経変性が生じることが明らかになってきた。

一方で、小児期の非進行期の病態や臨床的特徴についてはよく分かっていない部分が多い。

痙攣後の頭部MRI画像に一過性の「淡蒼球」・「黒質の腫大」・「高信号」

今回、同研究グループは、患児(同院小児神経科に通院中で、幼児期に発熱に伴い痙攣重積、痙攣群発をきたした3例)の頭部MRI画像(痙攣後)を撮像。

その結果、頭部MRI画像に「淡蒼球」、「黒質の対称性の腫大」、「高信号」を一過性に認めたという。

種々の検査(ウイルス検査、細菌培養検査、乳酸、ピルビン酸や代謝異常)では、いずれの検査においても異常所見を認めず、次世代シークエンス解析を実施した結果、SENDA/BPANの原因遺伝子WDR45変異を同定。

定量的磁化率マッピングQSM解析(MRIで定量的な磁化率の解析)でも、淡蒼球、黒質への鉄沈着を確認したという。

小児期の診断の新たな一助・新たな病態解明に期待

今回の研究成果から、SENDA/BPANの小児期には、普段はMRI画像で確認できないが、発熱に伴う痙攣重積・群発後に小児期の特徴的なMRI画像所見として、一過性の「淡蒼球」、「黒質」、「高信号」があることが明らかになった。

発熱時の痙攣重積・群発時には不耐が生じ、浮腫像を呈したことが示唆され、同例の病態に関連している可能性が示されたという。

今回の研究成果から、小児期の診断の新たな一助になりえ、SENDA/BPANの新たな病態解明につながることが期待される。

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