次世代のがん治療として『量子メス』の共同開発

最終更新日:2018年5月23日

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診療放射線技師コラム

次世代のがん治療として『量子メス』の共同開発

2017.01.23

昨年12月に、放射線分野の研究機関である量子科学技術研究開発機構(量研機構)(千葉県千葉市稲毛区)と住友重機械工業、東芝、日立製作所、三菱電機の4社が包括協定を結んで、「量子メス」と呼ばれる次世代のがん治療装置の開発を行うことを発表した。

この「量子メス」は重粒子線のがん治療装置で、放射線治療のうち、「重粒子線」は他の細胞にダメージを与えることなく、身体の深部にあるがん細胞を直接狙って治療できる。従来のがん治療における放射線治療とは異なる『最先端』の放射線治療法だ。

重粒子線がん治療

従来の放射線では光子線(エックス線やガンマ線)が使われることで、身体の深部にあるがんに十分な治療が出来ない一方、がん以外の正常な細胞にダメージを与える副作用がある。

その点、重粒子線・陽子線は「粒子線」と呼ばれるがんに集中して治療を行える放射線であり、副作用である正常な細胞へのダメージも最小限に抑えられる。(線量集中性)

特に重粒子線による治療は、この「線量集中性」に秀でており、少ない照射回数、短い治療期間での通院によるがん治療が行える。
非侵襲的で身体への負担が少なく、高齢者の治療や骨肉腫などの難治性がんの治療も行える。

この「重粒子線がん治療」の次世代技術開発に向けた取り組みの1つが今回の「量子メス」の開発だ。

次世代の重粒子線がん治療装置「量子メス」

この次世代の重粒子線がん治療装置である「量子メス」は、すでに国内5ヶ所の医療機関に導入されているものの、装置の作動には加速器と呼ばれる大型施設が必要で、今後の普及には、その小型化と高コストが課題になっていた。

すでに「第5世代」となる今回の研究は、加速器に代わるレーザー加速技術や超電導技術などを導入することで、装置の低コスト化、一般病院へ設置を可能にする10分の1サイズへのサイズの大幅な小型化を目標にしている。

2026年での実用化、がんによる死亡をゼロに

量研機構では、共同開発による「量子メス」の開発でこの次世代の「重粒子線がん治療」をがんの治療方法として10年後の実用化を目指す方針だ。

また将来的にはがんによる死亡を失くすためのがん治療を早期実現することによって、がんによる死亡がゼロになる社会を目指したいとしている。

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