【広島】がん高精度放射線治療センター完成

最終更新日:2018年5月23日

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診療放射線技師コラム

【広島】がん高精度放射線治療センター完成

2015.10.21

日本で放射線と言った時、歴史的な観点から広島、長崎を思い浮かべる人が多い。
去る9月26日、広島県東区二葉の里にて「県立広島がん高精度放射線治療センター」の完成記念式典が開かれた。
2015年10月1日をもって開業となる。 患者の治療において前面に押し出されることが少ない診療放射線技師にとっては日本で最高の施設と言えるだろう。

県立広島がん高精度放射線治療センターについて

このセンターの設立に際しては、広島県内にある4つの病院が連携した体制が確立された。 広島大病院、県立広島病院、広島市立広島市民病院、広島赤十字・原爆病院の4院である。 人体においてがんの発生部位は個々人で異なり、骨や筋肉、表皮組織など流動しにくい部位から臓器までさまざまだ。
「動かない」部位に発生したがんに対しては放射線治療も容易だが、臓器に発生したがんの場合、対象組織が絶えず動き続けているので的を定めて放射線を照射することが難しい。 そのため、臓器のがんに対する治療法は抗がん剤療法や免疫療法を選ぶ患者が多くなってしまう。
県立広島がん高精度放射線治療センターの先鋭的な環境と技術があれば、これまで放射線治療が難しいとされてきた部位のがんを抱えた患者に対しても、高度な放射線治療を提供できる確率が高くなる。
もちろん放射線は万能ではないし、無条件に人を救ってくれる力でもない。広島に残る傷跡に視線を転じればそのことは明らかだ。 がんの脅威に圧倒される人々に放射線治療は希望の灯をともす。しかし一方で、気軽に、誰もが利用できる治療法ではないと周知しておく必要もあるだろう。

がんの放射線治療の限界

抗がん剤による治療にはリミットがある。放射線治療の場合はさらに厳格なリミットが定められており、患者が望んだとしてもそれ以上は治療できない。

■放射線量の限度値について
・人体に照射できる放射線量の限度値は70から80グレイ
・定量に達した場合その後年数が経過しても同じ部位に対して放射線を照射できない
・限度値を超えると「被爆」となる


一般には馴染みのない単位と思われるが、1グレイは1キロ当たり1ジュールのエネルギーを受けたことを示す単位である。放射線治療に際して使用される放射線量の単位名称だ。
放射線の照射を受ける部位によって、多少限度量は増減する。 しかし、いずれにせよこの値は厳密に守られなければならない。
もし放射線治療を行ってがん細胞が縮小して行ったとして、寛解を目前にしたとしよう。あと一息という所であったとしても、そこで放射線量が上限に達すれば治療を中止しなければならないのだ。
このようなケースは実際によく見られるが、それでも多くの患者が放射線治療を望む。

がん患者の人口に対して、まだまだ放射線療法を提供できる施設や診療放射線技師は不足している。
専門的な工学技術と医療知識を有する技師育成は一朝一夕では叶わない。医療現場で最も高度な専門性を求められるのが診療放射線技師であるのに、現在の日本はその育成環境が万全とは言い難い点も問題だろう。
だが、北海道の日本医療大学のように診療放射線学科を新設する大学も存在する。
医療スタッフの欠員を多くの病院が抱える中では後継者育成にまで力を注ぐことは難しいかもしれない。
それでも、所属する病院や医療現場全体の未来、そして目の前にいる患者の命に想いを馳せれば、これから何をするべきなのかを各々の内に描けるはずだ。
医療スタッフなら、診療放射線検査技師ならこう進むべき、という決まりは存在しない。
どのような職業であれ、人はそれぞれ自分の意思に従って生き方を選択する権利があるのだから。
これからの診療放射線検査技師がどのように活躍して行くのか期待したい。

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