放射線障害をビタミンCが軽減

最終更新日:2018年9月22日

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診療放射線技師コラム

放射線障害をビタミンCが軽減

2015.03.11

事故や災害などで高い放射線量に被ばくすると骨髄損傷などの放射線障害が起こる。 国内では東日本大震災での福島第一原子力発電所事故による放射性物質の放出が今でも大きな問題になっている。
防衛医大の研究チームは2月5日、骨髄損傷などの放射線障害は、ビタミンCを投与することで大幅に軽減できたとする研究結果をアメリカの科学誌「プロスワン」に発表した。

放射線障害

高線量の放射線を全身に浴びると、強い酸化作用を持つ活性酸素が体内に発生して、細胞自体や生体細胞内のDNAが損傷する。
軽度のDNA損傷は修復されるが、修復が不可能な場合は細胞死を起こすか、DNAが損傷したまま生き残る。
その影響が蓄積・拡大していくと身体機能が低下して、骨髄や小腸・大腸などの消化器を損傷させる。 同研究チームは、ビタミンCには強い抗酸化力があり、活性酸素を減らすことが期待できるとして、マウスの実験で致死量である約7.5シーベルトの高い量の放射線をマウスに照射して、さらにビタミンCの投与後の効果を探った。

ビタミンCの抗酸化作用

日常でも体内に入った酸素で使われなかった分は酸化し、それが活性酸素となって、体の中の機能を錆付かせていくと、肝臓の機能低下などのほか糖尿病、高脂血症などの生活習慣病を引き起こす。
活性酸素は体内で発生するほかにも高線量の放射線、多量飲酒、ストレス、食品添加物、タバコ、激しい運動、加齢などが原因で発生量が増え、動脈硬化やガンなど、白髪やしみ、しわなど老化につながる。
この活性酸素を取り除き、生活習慣病の予防や老化を抑えるのが抗酸化作用だ
マウス実験では体重1キロあたり3グラムの大量のビタミンCを投与するマウス15匹と何も投与しないマウス15匹で比較した結果、ビタミンCを投与したマウスの14匹は骨髄細胞の損傷が抑えられて生存した。
一方、何も投与しなかったマウスのうち8匹は、骨髄細胞が死滅して1~2週間で死んだ。

新たな被ばく治療薬の開発

今後、同研究チームでは安全で効果性の高い被ばく治療薬の開発を目指す考えだ。
被ばく治療薬の開発は各国で進んでおり、アメリカのテネシー大学の研究チームは、高線量の放射線被ばくによる白血球減少などに対する治療薬候補を見つけたことを今年1月の論文で報告した。
同研究チームのマウスの実験では、治療薬候補を投与したマウスは、何も投与しないマウスの4倍近くまで生存率が上がった。

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