胸部CT検査での肺気腫による死亡リスク

最終更新日:2018年5月22日

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診療放射線技師コラム

胸部CT検査での肺気腫による死亡リスク

2015.02.12

スパイロメーターによる肺機能(スパイロ)検査で慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの気道閉塞の障害が認められないにもかかわらず、胸部のCT検査で肺気腫性変化が見られた人は、その体積に比例して死亡リスクが高くなることが分かった。 アメリカ・コロンビア大学のElizabeth C. Oelsner氏らが、米国内科学会発行の医学誌・AIM誌の2014年12月16日号に報告した。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、大気汚染や喫煙などが原因による肺の疾患で、国内では90%以上が喫煙による発症をしている。
スパイロ検査で息を吐くときに気道の空気が通りにくいなどの閉塞性が認められた場合、この疾患と診断される。
COPD患者の肺では、肺実質や肺胞壁の破壊や欠損などの気腫性変化があり、この変化は胸部CT検査でも検出できる。
しかし、COPDではないのにCT検査で気腫性変化が表れている「CT肺気腫」の予後についてはこれまで明らかではなかった。

CODPとCT肺気腫の関連性

研究チームでは、米国6地域に住む多民族2965人(平均年齢60歳、スパイロ検査で気道の閉塞性障害が検出されなかった45歳から84歳の人)を対象とした。 人種の比率は、白人が32.5%、黒人が25.6%、ヒスパニックが25.1%、アジア人が16.8%だった。
喫煙の状況は「喫煙歴なし」が50.9%、「(過去に)喫煙歴あり」が37.0%で、「現在喫煙している」は12.1%だった。追跡期間内に中央値6.2年で186人が死亡した。

CT画像上の肺気腫性変化の体積と死亡リスクとの関連を調べたところ、「現在喫煙している」グループにおいて「CT肺気腫の体積が大きいほど死亡リスクが高まる」ことの関連性が最も強く示され、「(過去に)喫煙歴あり」グループにも有意な関連性が見られた。

無症状の肺気腫の死亡リスク

CODPの初期症状は、軽い咳・痰が出る程度の症状だ。疾患の進行具合もゆっくりなために本人が発症に気づかない場合も多い。
進行が進むにつれて、ちょっとした風邪の場合でも咳が続いたり痰がなかなかだせなくなったり、階段や坂道をのぼるのに息切れを感じたりするようになる。

このような無症状時に肺がんのスクリーニングや心臓スクリーニングを目的に受けたCT検査で、偶然にも肺気腫性変化が見つかることは喫煙者だけでなく健常者にもある。

研究チームでは、それらの無症候時・初期のCT肺気腫でも大きさによって死亡リスクを高めることが分かったから、肺気腫の原因療法の開発が重要だとしている。

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