クレアチンキナーゼの高値など、女性アスリートの疲労骨折のバイオマーカー

最終更新日:2019年4月23日

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理学療法士コラム

クレアチンキナーゼの高値など、女性アスリートの疲労骨折のバイオマーカー

2019.02.01

慶應義塾大学は12月25日、宮本健史氏(同大医学部先進運動器疾患治療学寄附講座特任准教授)らの研究グループによって、日本人女性アスリートにおける疲労骨折発生のバイオマーカーを同定したことを発表した。

同研究成果は、国際科学誌「Scientific Reports」に掲載されている。

女性アスリートの疲労骨折を引き起こす「三徴」

これまで、女性アスリートの疲労骨折が引き起こされる背景には、いわゆる「三徴」と呼ばれる原因があるとされている。この「三徴」は、以下のような症状を指すものだ。

1、利用可能エネルギーの低下
2、視床下部性の無月経
3、骨粗しょう症

一方で、血液・尿に含まれるバイオマーカーについては明らかになっていない。このバイオマーカーの同定のためには、生体内の物質の定量的な把握を行うことが必要であるとされていた。

「月経障害」は疲労骨折発生リスクを「8倍」に上昇

同研究グループでは、女性アスリートの疲労骨折防止を目的として、「疲労骨折既往」と、疲労骨折発生に関わるとされる「月経障害」や「食事制限」、「体重減少」のそれぞれの既往との関連を調査した。(同大体育会所属の女性部員56名が対象)

調査結果からは、疲労骨折の既往があると答えた女性アスリートは、「23.2%(13名)」で、月経障害や体重減少、シンスプリント(脛骨の疼痛)の既往においては、半数以上の女性部員に認められることが判明した。これらの既往のうち、「月経障害」は疲労骨折発生の既往と有意に相関しており、発生リスクを「8倍」に上昇させることが明らかになった。

また、疲労骨折の既往がある女性アスリートは、新たに疲労骨折を起こすリスクが「約5倍」になることが示された。

さらに、過密な練習を続けることで運動による消費エネルギーが高まると、疲労骨折を起こしやすくなることも明らかになった。

「血液・尿検体の4分子」がバイオマーカーとして有用

血液・尿検査によるバイオマーカーの同定を試みた結果からは、『クレアチンキナーゼ(CK)』と『乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)』の高値と、『オステオカルシン(OC)』と『低カルボキシル化オステオカルシン(ucOC)』の低値の4つが疲労骨折の有効なバイオマーカーであることが示唆された。

CKとLDHは、一般的に運動後で高値を示すことが知られている。疲労骨折既往者では、非骨折者と比較してこれらの値が有意に高かったという。

また、OCとucOCは、骨形成マーカーとして知られるもの。

競技関係者向けに「効果的な疲労骨折発生予防対策」として役立つことが期待

今回の研究成果は、女性アスリートの疲労骨折を引き起こす「三徴」が疲労骨折の発生リスクを高めていることを改めて示すもので、さらに、「血液・尿検体の4分子」が新たにバイオマーカーとして同定された。

同研究グループでは、今回の研究成果は、日本人女性アスリートの疲労骨折を防止する有用な情報であり、競技者・指導者を含めた競技関係者を対象に、「効果的な疲労骨折発生予防対策」として役立つことが期待されるとしている。

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