腰痛患者の治療、ACPの新ガイドラインはまずは薬剤を用いずに

最終更新日:2018年5月23日

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理学療法士コラム

腰痛患者の治療、ACPの新ガイドラインはまずは薬剤を用いずに

2017.03.29

腰痛治療に関する新たなガイドラインとして、米国内科学会(ACP)では、腰痛患者への治療として、まず薬剤を用いない治療法を試すことが推奨されるとしている。

モルヒネなどのオピオイド鎮痛薬は鎮痛効果を発揮しうる薬剤であるものの、その使用についてはあくまでも最終手段とすべきであるという。

また、解熱鎮痛薬の一種である「アセトアミノフェン」は、腰痛を緩和させるとして医師の処方や、官自らが市販薬を服用するケースもよく見られるが、同学会ではアセトアミノフェンには腰痛の改善効果が認められず、今後は推奨しないとした。

これらの同学会からの勧告は、2月14日付けの「Annals of Internal Medicine」(電子版)に掲載されたものだ。また、今回の治療ガイドラインは、非侵襲的治療のみを取り上げたもので、薬剤注入・外科手術などの侵襲的治療については触れられていない。

一般的な腰痛の治療は加温や行動改善が有効

今回のACPによる治療ガイドラインでは、一般的に3ヶ月(12週間)未満の短期的な腰痛であれば、温熱シートやマッサージ、鍼治療、脊椎の徒手整復(マニピュレーション)により改善する効果が得られる可能性があるとしている。

3ヶ月(12週間)以上続く場合でも、運動療法や鍼治療、ヨガ、太極拳、マインドフルネス(「今起こっていることにのみ集中する」)によるストレス軽減、ガイド付きのリラクゼーションなどによる「心身」療法、認知行動療法が有効な場合があるとしている。

一方で、神経根性(radicular)腰痛は椎間板ヘルニアなどによる脊髄神経の圧迫に起因するものであるため、一般的な腰痛とは違った治療アプローチが必要となり、症状としても脚の放散痛や筋力低下、しびれなどを伴うとしている。

薬剤ではオピオイドの使用は極力避けるべき

また、薬剤を用いるのであれば、イブプロフェン、ナプロキセンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)や筋弛緩薬から開始し、それでも効果がない場合はデュロキセチン、トラマドールなどが次の選択肢となるようだ。

オピオイドは有効性を示すエビデンスが少なく、依存症や過量投与のリスクもあるため、やむ得ない場合のみの使用にとどめ、長くても数日にとどめるべきだという。

慢性腰痛では治療効果への過度な期待は避けるべき

今回の新ガイドラインでは、腰痛治療に関する過去の複数の研究レビューを基に勧告しているが、それらでは、腰痛に対するほとんどの治療法の効果は「少ない」もしくは「中程度」であることにも言及している。特に慢性腰痛の患者はこれらの治療効果を期待しすぎないで、現実的な臨床試験などの報告を基に考えることが重要になるという。

これは薬物療法か否かを問わないもので、特に神経根性腰痛については治療効果を示すエビデンスはほとんどなかったようだ。ただし、運動療法には有用性が認められている

医師(プライマリケア医)は必ずしも患者に紹介できるような施術者(マッサージ師や鍼師など)を知っているとは言えず、患者の治療費用負担の問題もあるため、現実的な腰痛の治療方針の決定においては、その実用性に大きく左右されることにもなりそうだ。

腰痛では複数の治療法を併用するケースも多いため、今後はより実際的な臨床試験によって、より効果的・実用的な治療法が求められそうだ。

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