船橋整形外科病院、副院長が担当した腰の手術ミスで患者が死亡

最終更新日:2018年9月22日

Select Language >>

0120-978-003
月~土 9時~18時 / 夜間・日・祝は受付のみ
理学療法士コラム

船橋整形外科病院、副院長が担当した腰の手術ミスで患者が死亡

2016.07.01

千葉県船橋市の船橋整形外科病院で今年1月、同県内の50代女性患者に腰の神経圧迫を取り除く手術をした際、担当の男性医師(同病院の副院長)の手術ミスで大腸に穴を開け、女性はその後に死亡していた。また、同日に同じ医師による同様の手術を受けた70代男性患者の大腸にも穴が開いて、吐き気や腹痛の症状を訴えていたことも分かった。

2人が受けたのは腰の神経が背骨に圧迫される腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症の手術で、同病院では昨年10月に導入したばかりの「XLIF」と呼ばれる手法の手術だ。これは、脇腹に2センチほどの穴を開けてエックス線で体内を映すなどしながら医療器具を入れ、神経への圧迫を除くもの。

病院はミスを認め、3月に院内に事故調査委員会を設けて原因を調べている。同病院では2人を含めこれまでに計14例実施しており、全てこの副院長が担当していた。

腰部脊柱狭窄症

腰部脊柱管狭窄症は、加齢などの原因によって背骨が圧迫され、腰や足にしびれなどが起きる病気のこと。

脊椎(せきつい)は体重を支える椎骨がいくつも連なっているが、椎骨の中心は、脊髄や細い血管が通る脊柱管になっており、この椎骨や椎骨同士の間にある椎間板や靱帯(じんたい)が加齢などで変形して狭くなり、腰の神経や血管が圧迫されて起こる。

中高年の女性に多くみられる「腰椎変性すべり症」も、この脊柱管狭窄症の一種で、椎骨が前後にずれて起こるものである。

磁気共鳴画像化装置(MRI)検査や筋電図などで症状が確認された場合は、麻酔で神経ブロック注射する療法もあるが、薬での保存療法が基本となり、患者の3割には症状の改善も見られる。

熟練が必要な手術法「XLIF」でミス

手術が必要な場合には、神経の圧迫を取るために変形やずれを生じた椎体を固定する手術を行う。同病院で行われた「XLIF」は国内では2013年から実施されるようになった新しい手術法で、本来は身体への負担が少ない手術法だ。

従来の椎体固定の手術では、背中側を小さく切って椎間板に骨を移植するのが主流だった。これに対し、XLIFでは2センチほどの穴を開けて背骨の横から処置するため手術時の出血もほとんどなく、手術後の改善効果も高い。

加齢により薄くなった椎間板を取り除いた代わりに、厚さ8〜10ミリの金属の「ケージ」を移植することで、椎骨の間が正常に戻り、脊柱管のずれを改善する。

しかし、脇腹から背骨にたどり着くまでに神経や血管を傷付ける可能性もあるため、この手術が国内でできるのは日本脊椎脊髄病学会の指導医に限られ、研修も義務付けられている。

手術ミスした医師も過去に十数件の手術経験があったが、熟練のためには、最低でも60例ほどの経験が必要との声もあり、学会が中心となって適正に実施される態勢も急務だ。

進行が進むと完治は難しく

脊柱管狭窄症では病気の期間が長くなると、神経に傷が付いてしまっているため、手術後もしびれや痛みが残る可能性もある。安静な状態でもしびれや痛みがあるのなら、症状が進行し神経がさらに傷付いているケースがある。

  そうなった場合は、しびれが完全になくなることは難しく完治は困難であることが多いよだ。早期発見による症状の改善のためにも、新手術におけるミスのない医師の熟練が求められる。

■メドフィットが納得の転職を実現します!
⇒理学療法士の求人一覧

関連コラム