小学生にも多い「野球肘」、理学療法士らがチェック表を作成

最終更新日:2018年9月22日

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理学療法士コラム

小学生にも多い「野球肘」、理学療法士らがチェック表を作成

2016.06.23

スポーツにケガはつきものだが、身体の仕組みへの理解を深めることや発症リスクのチェックなどで予防を行うことは出来る。
千葉県の医師や理学療法士らでつくる「スポーツ障害予防を考える会」では、野球をやっていると小学生などの子どもでも発症しやすい肘の障害「野球肘」の予防を目的としたチェック表を作成している。
このチェック表は小学生向けに作成されたもので、予測された発症リスクが数値で示される。 指導者がチェック表を活用して子どものチェック結果を説明することで、野球肘の発症リスクが高い場合は、子どもが納得して練習を休めるようにした。 また、野球肘を効果的に予防できるストレッチや補強運動も紹介している。

投球動作で肘への過度な負担

野球肘の主な原因は、投球などによる肘への過度な負担とされている。
痛めた患部の位置によって内側(ないそく)型と、外側(がいそく)型の2種類がある。
一般的には、肘の内側の骨をつなぐ内側側副靱帯(そくふくじんたい)損傷など内側型が多く、練習量が多すぎて肘に過度な負担になっていたり、投球フォームが悪いことが原因で起こる。
この内側型は、初期段階で痛みを感じるために本人が気づきやすく、しっかりと休めば治るケースが多いが、練習を休みたからず、痛みを我慢して練習を続けると、症状が悪化する場合もある。

一方、離断性骨軟骨炎(OCD)などの外側型は、発症率は1~3%と少ないものの、自覚症状が出にくいために痛みが出たころには症状が進んでしまっているケースもあり、最悪手術が必要にもなる。
外側型は原因がはっきりとしておらず、早期発見にはエコーによる肘検診が欠かせない。 初期段階で発見できれば9割は自然治癒で治るが、それでも半年~2年ほどは投球動作を行わない必要がある。
痛みがないのに野球ができないことでストレスをためるといった心のケアも必要になってくる。

10つの項目で野球肘の発症リスクをチェック

同会では、2014年に同県内の野球チームに所属する小学生1200人を対象に、肩や肘、股関節の柔軟性や筋力など150項目を調査した上で、その後の1年間で肘に痛みを訴えた子どもの結果に共通する10項目をピックアップし、野球肘の発症リスクを予測するチェック表を作成した。 具体的には以下の項目になっている。

□投手経験がある
□肘を痛めたことがある
□肩を痛めたことがある
□体重が35kg以上
□練習が週20時間以上
□肘が左右同じように伸びない
□肘が左右同じように曲がらない
□片足立ちが3秒間できない
□(うつ伏せで片足を折り曲げて)お尻とかかとの距離が10cm以上開く
□股関節が固い(仰向けで片膝を折り曲げて110度以下)

これらで当てはまる項目が多ければ野球肘の発症リスクが高まる。
チェックした項目が2個あれば40%、3個あれば60%、4個では80%、5個以上にチェックがつくようなら90%の確率で肘を痛める危険があるという。

補強運動でケガ防止、発症リスクを知ることでケアも丁寧に

同県市川市では2014年の調査に参加した約500人のうち、1年間で220人(44%)が肘の痛みを訴えていたが、このチェック表を導入後は、肘の痛みを訴える子どもは28%まで減ったという。
同会では野球肘を予防する補強運動の研究も進んでおり、姿勢の悪さや下半身の弱さなど野球肘を誘発するリスクのある部分を鍛える運動プログラムを行うことで、ケガの発生率が大幅に減ったり、基礎体力が向上する効果も出てきているという。 同会に参加する松戸整形外科病院の石井壮郎氏によると、発症リスクを知ることで予防意識も高まり、ストレッチなどの身体のケアも積極的に行えるようになるとしている。

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