バイオニックハンドとは?

最終更新日:2018年11月18日

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理学療法士コラム

バイオニックハンドとは?

2016.02.19

リハビリテーションの専門職として理学療法士の業務は多岐に渡るが、いずれの業務においても患者とのかかわりが密接である点は共通している。
機能回復訓練を必要とする患者の多くは、その治療とリハビリをきっかけとして人生の方向性が大きく変わってしまう。特に、四肢を失うような怪我や病気を経験した患者ではその傾向が顕著だ。
それまでごく一般的な生活を送っていた人々にとって、例えば腕1本、あるいは指の1本であっても、その欠落が筆舌に尽くしがたい苦しみとなることは間違いない。
人類が現代のような文化的な生活を営むまでに至ったのは、五指を自由に操り、物を掴んだり、加工したりする能力があるからだ。
我々の自由や創造性は「手」によって支えられている。
世界を見渡せば手足を失った人口は300万におよぶと言う。
リハビリによって手足の欠損を補う訓練は可能だ。しかし、これまで失われた手足の機能を満足に代替する医療器具は存在しなかった。日本や世界の国々で今開発が進められているバイオニックハンド(筋電義手)が登場するまでは。
一般市民には手の届かない装具とされてきたバイオニックハンドが今、変わろうとしている。

イギリスで初めての装具者は29歳の女性

イギリスから発信されたニュースで、話題の主は29歳の女性だ。
彼女は生まれつき右手がなかった。
これまでは稼働する関節がない通常の義手を装着して日常生活を送っていたが、英国内でバイオニックハンドの研究開発を行っているSteeper社の提供によって新しい右手を得た。
石膏で型を取り、専用のソケットで装着するこのバイオニックハンドは非常に高性能にできている。
たった数週間の訓練で握手まで可能になり、その後もさらなる訓練を続け、ついには糸通しまでも行えるようになったらしい。
このバイオニックハンドの固有名を「bebionic small」と言う。
「bebionic small」は337もの部品が組み合わされた複雑な作りをしているにも関わらず、女性用タイプは男性モデルよりも30%もの軽量化を実現した。装着面の筋肉や体表面の収縮を感知して、装着者の意思を指先にまで伝達し、動作を具現化する。
脅威のこの技術は確かに日本や世界各国で開発が進んでいる筋電義手と同様の物だが、「bebionic small」にはその開発に100万ポンド(日本円換算で約2億円)という巨額な費用を投じ、さらには国家レベルで取り扱われるべき軍事技術やレーシングカーに搭載されている、現代科学技術の粋が結集されたのだ。
握手できるようになるまでの期間がわずか数週間程度である点を鑑みても、「bebionic small」には世界の注目を浴びるだけの価値があると考えていいだろう。
こうして「bebionic small」が日の目を見たからには、イギリスとしてもSteeper社としても、この装具が広く普及することを願っているに違いない。
コストや患者負担の費用など課題は山積しているが、いずれこうした技術の粋が、手足を失って苦しんでいる人々の希望となる可能性は高いはずだ。
患者に寄り添う理学療法士には、国内に留まらず装具の新しい技術に目を向けてほしい。
バイオニックハンド(筋電義手)という装具の分類だけでも現在は多くのタイプがあるので、装具者本人の意向や経済状況などを総合して提案する広い視野と判断力が、よりいっそう重要となるだろう。

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