下肢強化の運動によるパーキンソン病患者の転倒防止効果

最終更新日:2018年9月26日

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理学療法士コラム

下肢強化の運動によるパーキンソン病患者の転倒防止効果

2015.02.12

理学療法士によるバランストレーニングや下肢強化のための運動が、パーキンソン病患者の転倒リスクの減少につながる可能性がある。 これはオーストラリアのシドニー大学Colleen Canning准教授らの臨床試験によるもので、12月31日付の「Neurology」電子版に論文が掲載された。

パーキンソン病の症状

パーキンソン病は脳内ホルモンであるドーパミンが減少し、脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンが相対的に増加する神経変性疾患だ。 神経変性疾患ではアルツハイマー病に次ぐ高率の疾患である。 ふるえや手足などをはじめとした筋肉のこわばり、素早い動作ができなくなってしまうなどの症状が見られ、国内では難病に指定されている。 うつ病や認知症を併発しやすい特徴もみられる。

日常生活での転倒リスク

パーキンソン病では日常生活において思うように身動きが出来ないため、自宅や外出先での転倒リスクがつきまとう。 研究チームによるとパーキンソン病患者の約60%は年1回以上転倒するという。 パーキンソン病を抱える高齢者は、転倒による骨折を起こしやすく、その後寝たきりの状態になってしまうと全身の筋肉が衰え、車椅子での生活を余儀なくされる可能性も出てくる。

パーキンソン病患者の下肢強化運動の研究報告

Canning准教授らの研究では、パーキンソン病患者231人を、「通常治療のみ」と「運動プログラムの追加」のいずれかのグループにランダムに分けた。 「運動プログラムの追加」グループには理学療法士が月1回のクラスでバランスと下肢強化の運動を指導し、自宅でも週に3回、40~60分の運動を指示した。 一部セッションでは理学療法士が自宅に訪問して指導した。 スタートから半年後、全体のうち軽度のパーキンソン病患者群122人の比較において、「通常治療のみ」グループは76%、「運動プログラムの追加」グループは52%が期間中に転倒していた。 これは、軽度のパーキンソン病患者において、転倒リスクが約70%減少したことを表している。 理学療法士が直接指導した一部のセッションでこの顕著な効果がみられたという。

下肢強化の運動の転倒防止効果

この研究報告をもとに、パーキンソン病患者への早期対策として、転倒防止のための理学療法士の監督下でのバランストレーニング・下肢強化の運動をどんどん増やしていくべきだと研究チームは主張している。 また、最大限の効果をもたらしながらも運動自体で転倒しないようするために、患者の状況によって運動を調整する必要もあると注意した。 アメリカでは、「早歩き」がパーキンソン病を改善させたという研究報告も出ており、下肢強化の運動がパーキンソン病にもたらす効果は現在研究が進められている。

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