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理学療法士の組むリハビリメニューで肩腱板損傷のセルフケア

2015.11.01

60代の発症が多く、老化によっても起こると言われている肩腱板損傷。イギリス・国民保健サービスが2015年に発表した論文によると 理学療法士が組むメニューによる「セルフリハビリ」は通常の理学療法と同じ効果があるという。ここでは、肩腱板損傷とそのリハビリや治療方法について解説していく。

「肩腱板損傷」への自主トレーニングの効果に関する論文発表

肩腱板損傷のリハビリについて、イギリスの国営医療サービス「国民保健サービス(NHS:National Health Service)」が2015年7月に発表した論文では、理学療法士が医師の処方から組んだメニューを、自主トレーニングによって行う「セルフリハビリ」には、医療機関などで通常の理学療法を受けた場合と同等の効果があることが分かった。

肩腱板損傷とは?

60代が発症ピークの肩関節疾患として多く見られる「腱板損傷」。そのうち、肩関節の筋肉で構成される腱板がダメージを受け、肩が上がらなくなったり、筋力が弱まったりする症状が現れるのが「肩腱板損傷」だ。

通常、腕を上げたり、腕をねじったりすると、肩の「腱板」と呼ばれる筋肉の束が働く。しかし、野球やボクシングなどのスポーツで肩を酷使することで、摩耗して部分的に切れてしまったり、転倒などの外傷により腱板が損傷して、炎症を起こすことがある。
また、はっきりとした原因がなく、日常生活動作の中で突然痛みが出るケースも、中年以降、特に40歳以上の男性を中心に見られる。こちらは、長年の肩の使い過ぎによる腱板の摩耗と老化が重なって発症すると考えられている。

夜に肩の痛みで睡眠がとれないことで受診するケースが多く、一般的に肩が上げる際に強い痛みが出ないかを確認しながら、肩の動く範囲を取り戻していく理学療法でリハビリを行う。ただし、さらに症状が悪化し、重度の部分断裂や完全断裂した場合の「肩腱板断裂」に及ぶと、手術が必要になる場合もある。

■そもそも「肩腱板」とは? 肩腱板は、ローテーターカフとも呼ばれる部分で、上腕骨を取り巻いている小さな筋群を指し、肩甲下筋、小円筋、棘上筋、棘下筋の4つの筋肉から成り立っている。腕を上げる下げる、広げる、ねじるといった動作を支え、肩関節の視点を保つ働きもある部位である。

■肩腱板損傷と五十肩の違い しばしば五十肩と間違われて診断される肩腱板損傷。その違いは何なのだろうか。 五十肩は肩関節周囲炎の総称で、その症状に「拘縮(関節の動きが固くなること)」がはっきりとあるが、一方で、肩腱板断裂は痛みが出るものの、関節の動きが固くなることはほとんどなく、可動域の制限が少ないという特徴がある。症状がない方の手で支えれば、肩を上げたり回すことができるという場合は肩腱板損傷、逆の手で支えても動かせない場合は五十肩と覚えておくとよいだろう。

「セルフリハビリ」メニューと通常の理学療法で効果を比較

今回の研究では、国民保健サービスでは肩腱板損傷の患者を対象に、「理学療法士が組んだセルフリハビリメニューを自宅で行う」群と「医療機関などで通常の理学療法を受ける」群に分け、その後の半年~1年のリハビリ期間での「肩関節の痛み」や「機能障害」に対するリハビリ効果を比較した。その結果、理学療法士が組んだリハビリメニューを元に、患者自身が行うセルフリハビリでは、「肩関節の痛み」や「機能障害」の改善において、理学療法士が実際に患者に触れてリハビリを行うのと同じような効果が得られた。

重度では手術によって、痛み・機能障害が改善する傾向

より重度の症状である肩腱板断裂の治療には、肩を固定したり、鎮痛薬を飲んだり、リハビリテーションを行うなどの「保存的治療」と肩にメスを入れる「手術治療」があるが、オランダでは、肩腱板断裂の患者を対象とした「保存的治療」か「手術治療」をランダムに行った検証報告がある。それによると、治療後1年での肩の可動域や力などでの総合スコアには違いは見られなかったが、患者の自己申告による痛みと機能障害の程度では、手術治療を行った患者の方が軽くなっていたという。

肩腱板損傷の症状に合わせた治療が必要

手術治療と保存的治療では、その治療設計が大きく異なり、実際に行う治療内容や治療のための身体の負担、治療費なども全く違ってくる。今回のそれぞれの報告が肩腱板の症状に合わせた治療法の選択の参考になるかもしれない。


【出典】
1、http://www.keisuikai.or.jp/patient/cuff_tone-2/

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