公開日:2019.02.01
最終更新日:2021.10.06
慶應義塾大学は12月25日、宮本健史氏(同大医学部先進運動器疾患治療学寄附講座特任准教授)らの研究グループによって、日本人女性アスリートにおける疲労骨折発生のバイオマーカーを同定したことを発表した。
同研究成果は、国際科学誌「Scientific Reports」に掲載されている。
公開日:2018.12.21
最終更新日:2021.10.06
テニスのラケットなどを使ってスポーツをすると、上腕の腱に過度の負荷がかかって炎症が生じるケースがあるが、このような病態は、「上腕骨外側上顆炎(テニス肘)」とされる。
このテニス肘は、スポーツだけでなく、仕事などで手や手首を日常的に使う人は、発症する可能性があり、アメリカでは、「テニス肘」と診断される患者が、年間約20万人に上っているとされる。
今回、米ハーバード大学医学大学院の研究チームによって、テニス肘の保存的治療法(ステロイドの局所注射や理学療法など)の効果を検証した結果、その効果はいずれも限定的なもので、プラセボの効果を大きくは上回らない可能性があることが示された。
研究の詳細は、「American Journal of Sports Medicine」(10月31日電子版)に掲載された。
公開日:2018.08.29
最終更新日:2021.10.06
千葉大学は7月26日、清水孝彦氏(同大大学院医学研究院細胞治療内科学講師)、横手幸太郎氏(同教授)を中心とする研究グループが、アサヒグループホールディングス株式会社と共同で行った研究によって、食品素材である『りんごポリフェノール』が、変形性膝関節症の進行を抑制することが判明したことを発表した。
同研究成果は、「Scientific Reports」に掲載された。
公開日:2018.08.21
最終更新日:2021.10.06
京都大学は7月25日、関谷徹治氏(同大大学院医学研究科研究生(彦根中央病院脳神経外科医師))らの研究グループによって、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療には、脊髄の表面に移植細胞を「表面に置くだけ」の表面移植法が、従来の治療法よりも害が少なく、より効果的である可能性が高いことを提唱したと発表した。
同研究成果は「Trends in Neurosciences」に掲載された。
公開日:2018.08.10
最終更新日:2021.10.06
インターネット上での調べものやビジネスツールに使えるアプリ、電子書籍での読書や娯楽用のゲームアプリなど、様々な場面で便利で使いやすいiPadなどのタブレット端末。
しかし、長時間使用していると「iPad首」や「タブレット首」などと呼ばれる首・肩の痛みの原因になることが分かっている。
今回、米ネバダ大学の研究グループによる新たな研究で、これらの痛みの症状の重要なリスク因子には、タブレットを使用する『時間の長さ』よりも、『女性(であること)』と『使用時の姿勢』がある可能性が示された。
研究成果の詳細は、6月12日付けの「Journal of Physical Therapy Science」(電子版)に掲載された。
公開日:2018.07.17
最終更新日:2021.10.06
体重・食べ物に対して過度なこだわりを持ってしまうことで、ふつうの食事ができなくなってしまう『摂食障害』。
この病気は、極端に食べる量を減らしてしまう「拒食症(神経性やせ症)」と、大量に食べ続けてしまう「過食症(神経性過食症)」に大別することができる。
また、過食症には大量に食べてしまう一方で、食べた後に吐いたり、下剤を使って排出を繰り返すケースもある。
公開日:2018.06.18
最終更新日:2021.10.06
歌手の西城秀樹さんが5月16日、15年間に及ぶ闘病生活の末、「急性心不全」で亡くなった。(享年63)
西城さんは48歳で最初の「脳梗塞(脳の細い血管が詰まるラクナ梗塞)」を発症し、リハビリに励むも、56歳で再発。自身の経験から「脳卒中予防大使」も務めたこともあった。
脳梗塞は、脳出血と並んで脳卒中の範疇の一つとされる疾患で、生活習慣病(高血圧・糖尿病など)や心臓病などが原因となって、脳の血管が詰まり、血液が通わなくなることで、脳が損傷を受ける。
また、脳梗塞の再発率は「50%」ともいわれる。
公開日:2018.06.01
最終更新日:2021.10.06
スポーツ選手の故障で多いのが「ひざの関節」の怪我だ。
太ももの骨である「大腿(だいたい)骨」とすねの骨である「脛骨(けいこつ)」をつなぐ「ひざの関節」は、「4つの靱帯(前十字靱帯、後十字靱帯、内側側副靱帯、外側側副靱帯)」や半月板などから構成される。
公開日:2018.05.17
最終更新日:2021.10.06
爪に真菌が感染することによって、爪の混濁や肥厚、変形などをもたらす疾患である「爪真菌症」。
その多くは、白癬菌と呼ばれる真菌の感染による『爪白癬(爪水虫)』だ。
加齢に伴い、この『爪白癬』の発症リスクは上昇する。また、糖尿病患者、免疫が低下した人でも上昇することが分かっているほか、複数の研究からBMIが高い人でも上昇する可能性があることが示唆されているという。
今回、韓国・カトリック大学校医学部の研究グループの研究によって、体重が適正体重を上回ることで、爪白癬などの爪真菌症リスクが高まることが明らかになったことが報告されている。
同研究結果は、「Journal of the American Academy of Dermatology」3月号に掲載された。
公開日:2018.04.20
最終更新日:2021.10.06
脚の皮膚の表面に静脈の一部が盛り上がり、かゆみ・痛みを伴うこともある「下肢静脈瘤」。
加齢に伴い、誰にでも起こり得る疾患の一つであるが、一般的に重度の健康リスクに関連することは稀であると考えられている。
しかし、台湾の研究グループによる報告からは、その見た目・症状だけにとどまらず、深部静脈血栓症(DVT、いわゆる「エコノミークラス症候群」)の発症リスクが約5倍に高まることが示されたという。
詳細は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」2月27日号に掲載されている。
公開日:2018.04.11
最終更新日:2021.10.06
筑波大学は3月5日、武田文氏(同大体育系教授)、門間貴史氏(同特任助教)、徳山薫平氏(同教授)および佐藤誠氏(国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)教授)らの研究グループによって、学生アスリートの『睡眠障害』と「生活習慣」・「競技活動」・「競技ストレッサー」・「メンタルヘルス」との関係について分析した結果、深夜時間帯のアルバイトで「就寝時刻」が遅い学生アスリートや朝練で「起床時刻」が早い学生アスリートで『睡眠障害』との強い関連が認められたことを発表した。
同研究成果は、「Sleep Medicine」(電子版)で先行公開されている。
公開日:2017.10.20
最終更新日:2021.10.06
出張や旅行などで新幹線や飛行機での長時間の移動をすると、座り続けることで「エコノミークラス症候群」を発症しやすい。 正式には、下肢の深部静脈に血栓ができる「深部静脈血栓塞栓症」と、その血栓が血流に乗って肺に運ばれて肺動脈の塞栓をもたらす「肺血栓塞栓症」の2つの総称として、「静脈血栓塞栓症」と呼ばれる。
公開日:2017.09.08
最終更新日:2021.06.21
胃がん手術後、サルコペニアやそれに伴う合併症に悩まされる人は多い。そんな中、2017年9月に東大病院とライザップが共同で「運動・栄養介入による胃がん周術期のサルコペニア予防効果に関するランダム化比較試験」を開始した。ここでは、胃がん術後のサルコペニアや合併症問題や同試験の詳細について解説していく。
公開日:2017.04.14
最終更新日:2021.10.06
日本国内での患者数は推計120万~420万人とされている変形性股関節症(OA)は、女性に好発し、股関節の痛みの他、可動範囲の制限・筋力低下などの症状を呈することで、QOL(生活の質)の低下や、歩行・立ち座りなどの運動機能への悪影響も与える疾患だ。
京都大学では3月15日、建内宏重氏(同大学大学院医学研究科助教)、市橋則明氏(同研究科教授)らの研究グループが、「歩き方」や「歩数の累積負荷」がこの変形性股関節症の進行に影響しているという研究結果を発表した。
同研究成果は、国際変形性関節症学会の学術誌「Osteoarthritis and Cartilage」に掲載されている。
公開日:2017.04.06
最終更新日:2021.10.06
近年では、デスクワーク中心のビジネススタイルへの移行なども背景にあって、運動不足(身体活動量の低下)などの生活習慣は蔓延している。
そのため、2型糖尿病、高血圧、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病が急増している。これらの疾病の予防・治療にもなる定期的な運動は「運動療法」と呼ばれて推奨されている。
科学技術振興機構(JST)では2月28日、金子周一氏(金沢大学医薬保健研究域医学系教授)、篁俊成氏(同教授)、御簾博文氏(同准教授)らと同志社大学、筑波大学、アルフレッサファーマ株式会社(本社:大阪府大阪市中央区、岩谷健一郎社長)の共同研究グループが肝臓の分泌ホルモンの一種「セレノプロテインP」が骨格筋に作用して、運動を行った効果を無効にする病態である「運動抵抗性」が起こっているメカニズムを発見したと発表した。
同研究成果は、2月27日付けのアメリカの総合医学雑誌「Nature Medicine」(電子版)に掲載されている。
公開日:2017.03.29
最終更新日:2021.10.06
腰痛治療に関する新たなガイドラインとして、米国内科学会(ACP)では、腰痛患者への治療として、まず薬剤を用いない治療法を試すことが推奨されるとしている。
モルヒネなどのオピオイド鎮痛薬は鎮痛効果を発揮しうる薬剤であるものの、その使用についてはあくまでも最終手段とすべきであるという。
また、解熱鎮痛薬の一種である「アセトアミノフェン」は、腰痛を緩和させるとして医師の処方や、官自らが市販薬を服用するケースもよく見られるが、同学会ではアセトアミノフェンには腰痛の改善効果が認められず、今後は推奨しないとした。
これらの同学会からの勧告は、2月14日付けの「Annals of Internal Medicine」(電子版)に掲載されたものだ。また、今回の治療ガイドラインは、非侵襲的治療のみを取り上げたもので、薬剤注入・外科手術などの侵襲的治療については触れられていない。
公開日:2017.03.22
最終更新日:2021.10.06
アメリカ・ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の元選手30人が、慢性外傷性脳症(CTE)の研究のため、自身の脳を死後に提供することを新たに表明した。CTEは繰り返しの脳震盪(のうしんとう)や頭部への衝撃により誘発されると考えられている進行性の脳変性による脳症。
同リーグに所属する多数の選手が、死亡した後にCTEがあったと診断されている一方で、CTEの明確な診断は死後の解剖でしか行うことができない。
公開日:2017.03.13
最終更新日:2021.10.06
藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)と東レ株式会社(本社:東京都中央区、日覺昭廣社長)、日本電信電話株式会社(NTT、本社:東京都千代田区、鵜浦博夫社長)、株式会社NTTドコモ(本社:東京都千代田区、、吉澤和弘社長)の4者は共同で、2月7日からウェア型生体センサ「hitoe(R)」(ヒトエ)を活用した「リハビリ患者モニタリングシステム」の有効性について検証する共同実験を開始した。
これは同センサによって、リハビリ患者の心拍・様態情報(活動量・位置情報)などの生体情報を 24 時間モニタリングすることで、リハビリ分野での定量的診療データとしての有効性・可能性を探る取り組みで、おおよそ3年以内での実用化を目指すという。
公開日:2017.01.25
最終更新日:2021.10.06
有効成分が全くない「プラセボ(偽薬)」を投与した患者の症状が改善することを『プラセボ効果』と呼ぶ。
これは本来、治療効果はないはずの偽薬であるにもかかわらず、効き目のある薬だと思いながら「薬を飲む」ことによる患者の心理的な作用が症状の改善につながるという効果を指している言葉だ。そのため、臨床試験(治験)において試験薬の効果を検証する場合には、このプラセボ効果を考慮した上で(差し引いて)試験薬の効果を確かめる方法が取られることが一般的だ。
しかし、ある臨床試験に参加した慢性腰痛の患者が自分の飲む薬をプラセボ(偽薬)だと説明された上で、プラセボだと知って飲んだ場合でも、腰痛の症状が改善する可能性があることを示唆したという研究報告があったので紹介したい。
公開日:2016.12.19
最終更新日:2021.10.06
軽く触った程度の刺激でも激痛につながる「痛覚過敏」が特徴的な神経障害性疼痛(とうつう)。神経がダメージを受けることで慢性的にずきずきと疼(うず)くような痛み(疼痛)が発症する。
九州大学では2016年10月17日、大戸茂弘氏と小柳悟氏(ともに同大大学院薬学研究院教授)らの研究グループが、腎臓の傍にある副腎周囲の「副腎皮質」から概日リズムでホルモンが分泌されていることで、時刻により変動する神経障害性疼痛のメカニズムを突き止めたことを発表した。
同研究成果は10月14日付けの「Nature Communications」(電子版)にも掲載されている。