脳卒中回復のリハビリ効果高める化合物特定、年度内に治験

最終更新日:2018年12月11日

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薬剤師コラム

脳卒中回復のリハビリ効果高める化合物特定、年度内に治験

2018.05.28

日本国内では年間30万人が発症するとされ、脳の血管が破れたり、詰まったりすることで、手足に麻痺が生じたり、言葉を発せられなくなるという症状が見られる脳卒中

現状では、この手足の麻痺などのリハビリ効果を上げる薬はなく、脳卒中患者のQOLの低下を改善することが課題となっている。

横浜市立大と製薬企業の富山化学工業の共同チームでは、動物実験によって、脳卒中患者のリハビリを促進する可能性がある新薬開発につながる化合物を発見した

論文が、4月6日付けの米科学誌「サイエンス」に掲載されている。

アルツハイマー型認知症治療薬として開発中の化合物「エドネルピク・マレアート」

横浜市立大の研究グループでは、アルツハイマー型認知症の治療薬として同社が開発中の化合物「エドネルピク・マレアート」に着目

脳の一部を損傷させて麻痺症状を生じたマウスを対象に化合物を与えたマウス実験では、マウスに脚でエサを取る訓練を続けた結果、損傷から約50日で損傷前と同じ動きができるようになった

一方、化合物の代わりとして水を飲ませたマウスや、化合物を与えても訓練させなかったマウスは回復しなかったという。

脳の一部を壊して半身不随となったカニクイザルを対象にした実験では、損傷直後から化合物を注射した結果、約30日の訓練で小さな筒からエサを指でつまんで取る細かい作業ができるまで回復したという

脳内のタンパク質が働き、脳の神経回路などが変化

同研究グループによると、リハビリによる刺激を受けることで、マウスやカニクイザルの脳内にあるタンパク質が働いて、脳の神経回路などが変化するという。

今回発見された化合物「エドネルピク・マレアート」は、このタンパク質の働きを促進し、損傷した部分の周りに新たに神経回路ができるというような、脳機能の回復が見られた可能性があることを指摘している。

ヒトへの効果の検討に期待

今回の研究所では、脳卒中に近い損傷を人工的に与えた動物実験で、リハビリによる運動機能の回復具合をみたが、ヒトの場合でも、脳卒中患者のリハビリ効果を大きく改善できるのではないかとしている

同社によると、化合物「エドネルピク・マレアート」がアルツハイマー治療薬として行われた治験では、重い副作用は出ておらず、有望な化合物として、ヒトでの効果の検討が期待される

共同チームでは、今年度中にもリハビリだけでは回復しない脳卒中患者を対象とした臨床試験(治験)を開始する方針。

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