独自の『きのくに電子お薬手帳』を開発、和歌山県薬剤師会

最終更新日:2018年4月20日

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薬剤師コラム

独自の『きのくに電子お薬手帳』を開発、和歌山県薬剤師会

2018.03.20

近年、医療分野におけるICTの活用が推進されている。そのため、全国各地の医療機関では、医療情報をインターネットやスマートフォン・タブレット端末などを通して管理・共有する「医療連携システム」が整備されるようになった。

そんな中、今後は患者の『電子お薬手帳』と医療機関の医療システムを連携させることで医療情報を共有するプロジェクトが加速する可能性も出てきている。

和歌山県薬剤師会の取り組みは、そのモデルケースと言えそうだ。

同薬剤師会では、関係企業と共同で、独自の『きのくに電子お薬手帳』を開発し、その普及に取り組んでいる。

和歌山県で整備していた医療連携システム「清州リンク」では、同県内の病院・診療所、薬局間での情報共有を行ってきたが、『きのくに電子お薬手帳』と協調した仕組みを構築。

薬局のレセコンに入力された調剤情報は、「清州リンク」のデータバンクを介して、『きのくに電子お薬手帳』に送信されるという。そのため、患者は何の操作をすることもなく、スマートフォンなどで自分の調剤情報を閲覧できる。

スマホアプリによる「お薬手帳」と「健康管理」機能

同県薬剤師会では、2016年度から『きのくに電子お薬手帳』の開発に着手して、スマホアプリの「CARADA」(エムティーアイ社製)と「清州リンク」が連携する仕組みを構築した。

患者は、まず自身のスマホにアプリをインストールする。次に、アカウントの設定やお気に入り薬局の登録などを行い、「清州リンク」への参加に「同意」する。

アプリには「電子お薬手帳機能」と「健康管理機能」があり、「電子お薬手帳機能」では、患者が薬局で薬を受け取った数分後には、「薬の名称・処方量」、「処方箋発行医療機関名」、「調剤した薬局の名称」などの医療情報がスマホ画面で閲覧できるようになり、これまでの「過去の履歴」も閲覧できる。また、副作用の自覚症状、気になることを入力して薬局に送信できる機能付きだ。

患者が情報共有を許可した場合、薬局側もパソコン画面上で、「清州リンク」のデータバンクを経由して患者の過去の履歴データを閲覧できる。個々や全患者に対して、パソコンからコメント発信もできる。

患者が身体・生活データ(体重、血圧、歩数、睡眠、食事、健康診断、血糖値、検査値など)を入力し、その推移を見ながら健康維持に役立てる「健康管理機能」もある。

病院・診療所・薬局の医療連携システム「清州リンク」

医療連携システム「清州リンク」は、和歌山県立医科大学病院が運営主体となって2011年4月に立ち上げられた。現在では、県内の12病院、25診療所、103薬局が参加している。

「清州リンク」に提供されるのは、病院や診療所の診療情報(「患者基本情報」、「受診歴」、「病名」、「検査値」、「投薬情報」、「注射情報」、「診療メモ」、「検査画像」など)と薬局の「調剤情報」だ。

患者の同意と、医療機関間での同意を得て、情報共有する。また、災害時には患者の同意がなくても医療情報が閲覧可能になっている。

調剤情報の入力などの「電子お薬手帳の手間の問題」が解決

今回、『きのくに電子お薬手帳』が医療連携システム「清州リンク」と協調する仕組みを構築したことで、調剤情報の入力に手間がかかるなど、電子お薬手帳が抱えていた課題か解決されそうだ

災害時には、患者の手元にお薬手帳があれば患者に必要な薬を迅速に特定することが可能になる。また、薬局が電子お薬手帳を導入する際に、「清州リンク」に参加すれば、災害時の医療ネットワークも強化できる。

『きのくに電子お薬手帳』の普及へ、薬局の費用捻出が課題

同薬剤師会の会員薬局(約450軒)では、すでに6割以上(約70薬局)が『きのくに電子お薬手帳』を導入

一方、費用の捻出は課題だ。『きのくに電子お薬手帳』システムの利用料として薬局が負担するのは年間1万5000円。「清州リンク」に参加する場合には、接続機器・設置費用などで5万~10万円が必要だ。現在は、薬局が負担する費用の一部を同薬剤師会などが補助している。

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