レイノー現象や手指腫瘍の『全身性強皮症』にB型ボツリヌス毒素が効果

最終更新日:2018年11月18日

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薬剤師コラム

レイノー現象や手指腫瘍の『全身性強皮症』にB型ボツリヌス毒素が効果

2017.06.07

全身性疾患の『全身性強皮症』は、皮膚や内臓の線維化、血管障害、免疫異常などを特徴とした特定疾患。発症機序は不明だが、国内には約3万人の患者がいるとされている。

この『全身性強皮症』を有する患者の多くで初発症状として出現するのが「レイノー現象」と呼ばれる手指の血流不足による冷感や皮膚色の変色(蒼白、紫青、赤へと変色)だ。

群馬大学では4月11日、石川治氏(同大大学院医学系研究科皮膚科学教授)、茂木精一郎氏(同講師)と中村哲也氏(同大学医学部附属病院臨床試験部教授』、伊達佑生氏(同准教授)の研究グループが、このレイノー現象や手指の腫瘍をもっている『全身性強皮症』の患者に対して、B型ボツリヌス毒素局所注入が良好な治療効果を示したと発表した。

同研究成果は、3月30日付けの「Acta Dermato-Venereologica」に掲載されている。

手指の変色が見られる「レイノー現象」

寒冷による刺激や精神的ストレスによって手指など(四肢末梢部)の血流障害(血管のけいれん)が発作的に起こる「レイノー現象」

特に体力の弱い若年層の女性に多く見られ、「けいれんの発作」が原因であることは分かっている一方で、けいれん発作の生じる理由は不明な病気だ。

症状としては長時間にわたる疼痛や痺れがあり、患者のQOLを著しく低下する。また、血流障害の進行によって手指に潰瘍(かいよう)を生じる

レイノー現象や手指の潰瘍は治りにくく、感染により潰瘍が拡大すると指趾切断のケースもあるが、根本的な治療法はないため、手指の保護や保温が基本になる。

ボツリヌス毒素の注入で症状改善

しかし近年では、欧米の研究報告からA型ボツリヌス毒素の局所注入がレイノー現象の症状を改善するという報告があった。

ボツリヌス毒素は、神経伝達物質への阻害機能があり、眼瞼攣縮・片側顔面痙攣・四肢痙縮などへ使用される薬剤。国内ではこれまでに、同研究グループがレイノー現象が見られる『全身性強皮症』の患者10人に対して、手指基部へA型ボツリヌス毒素を注入し、高い有効性・安全性を確認していた。

今回、同研究グループでは、レイノー現象や手指潰瘍をもった『全身性強皮症』の患者45人に対して、B型ボツリヌス毒素を注入を実施した。

B型ボツリヌス毒素は、A型ボツリヌス毒素と比較して値段は6割程度と安価で、効果発現も早いこと、自律神経に対する効果が高いことなどが分かっている。

国内の適応拡大に向け、医師主導治験を進行

今回の研究結果では、B型ボツリヌス毒素を多量に注入した患者グループでレイノースコアによるレイノー症状の重症度と痛みが有意に改善。1回の注入で約4ヶ月(16週間)効果が持続して観察された。また、手指潰瘍でも著明な縮小・治癒がみられ、新生するのも有意に抑制された。

同研究グループでは、今回の研究成果から強皮症の画期的な治療法を開発できる可能性があるとしている。すでに国内での適応拡大へ向けては、昨年12月から群馬大学医学部附属病院で医師主導治験(ランダム化二重盲検試験)を開始している

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