「オートファジー」に着目した創薬開発が加速

最終更新日:2018年5月25日

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薬剤師コラム

「オートファジー」に着目した創薬開発が加速

2016.11.28

大隅良典氏(東京工業大栄誉教授)が研究を続けてきた細胞の「オートファジー」のメカニズム解明が受賞理由となり、今年のノーベル医学生理学賞を受賞することが決まった。

今回で日本人のノーベル賞受賞者は25人目になるが、その中でも「医学・生理学賞」を受賞したのは昨年、『熱帯感染症の特効薬開発』で受賞した大村智氏(北里大学特別栄誉教授)に続き2年連続、4人目となっている。

(臨床検査技師コラム :熱帯感染症の特効薬開発でノーベル医学・生理学賞受賞も参照)

がんなどの治療薬開発へ進むオートファジー研究

オートファジーは、飢餓状態などで細胞自身が細胞内のタンパク質を食べる(分解する)仕組みで、自食(じしょく)作用とも呼ばれる。新陳代謝の一つでもあり、これにより細胞の働きを正常に維持する機能もあるようだ。

この細胞の「オートファジー(自食作用)」は、がんやパーキンソン病、アルツハイマー病などの様々な疾患と関連があるとされており、その仕組みを活用した創薬研究も活発になっている。

アステラス製薬株式会社(東京都中央区、畑中好彦社長)などの国内大手の製薬会社やバイオテクノロジー事業を手掛けるタカラバイオ株式会社(滋賀県草津市、仲尾功一社長)などがその新薬研究・開発や研究者向けの支援を加速させている。

膵臓がんの抗がん剤開発でオートファジーに着目

国内製薬メーカーでは業界二番手となるアステラス製薬では、2014年11月からイギリス研究機関「キャンサーリサーチUK(CRUK)」と共同で、膵臓(すいぞう)がん治療などにおける抗がん剤の研究開発を進めている。

膵臓がんは、がん全体の中でも早期発見が困難で、自覚症状がない内に症状が進行するためその予後がきわめて悪いがんだ。

同社では、一部の膵臓がんでオートファジーが過剰に活性化することでがん細胞が増えるというこれまでの研究報告を元に、オートファジーの制御因子を発見することで新たながん治療法になる治療薬の開発を進めている。

バイオテクノロジーなどによる研究支援も

またバイオテクノロジーに基づくバイオ研究用試薬の販売などを行うバイオ企業のタカラバイオでは、研究者向けのオートファジー観察用試薬の販売を行っている。

同社が販売するバイオ研究用試薬は、大学などの研究機関ですでに使われており、細胞内の特定のタンパク質をバイオマーカーとしてオートファジーの動きに反応すると発光する仕組みを持っている。

このようにオートファジー研究が進むと同時に、オートファジー研究を支援する研究支援向けのサービスも増えていくと考えられる。

同社以外にもすでにオートファジー研究用の試薬や検査用具などのオートファジー研究支援サービスを開発・販売を手がける企業は国内に複数出てきており、今後の行方が注目される。

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