高コレステロール血症治療薬の国内承認を取得、仏サノフィなど

最終更新日:2018年5月23日

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薬剤師コラム

高コレステロール血症治療薬の国内承認を取得、仏サノフィなど

2016.08.26

医薬品等の開発・製造、販売を行うサノフィ株式会社(本社︰東京都新宿区、ジャック・ナトン社長)が7月4日に発表したプレスリリースによると、同グループの本拠フランス・パリにあるサノフィ本社ではアメリカのバイオ医薬品メーカーであるリジェネロン社と共同開発した家族性高コレステロール血症及び高コレステロール血症治療剤「プラルエント」(一般名:アリロクマブ(遺伝子組換え))が7月4日に厚生労働省の製造販売承認を取得したとしている。

家族性高コレステロール血症

悪玉のLDLコレステロールが生まれつき多い「家族性高コレステロール血症」では、生まれつきLDLが肝臓で十分に分解されないことが原因で、総コレステロール値やLDLコレステロール値が異常に高くなり、20〜30代で動脈硬化が進み、心筋梗塞・狭心症などの発症リスクが増す疾患だ。

脂質異常症の要因でもある、いわゆる高コレステロール血症ではLDLコレステロールが140mg/dL以上の状態は要注意(日本動脈硬化学会による動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版)を指すのだが、家族性高コレステロール血症になると同様の状態が「血縁関係がある人に患者が見つかれば、本人にも可能性がある。」、「夫(もしくは、妻のどちらか)が患者の場合、その子どもは2分の1の確率で発症する。」とされる疾患であるため、家族性と呼ばれる。

家族性高コレステロール血症の治療では、高コレステロール血症の治療と同様にHMG-CoA還元酵素阻害剤やスタチンなどの薬でLDL値を抑制するが、薬が十分に効かない患者も多い。

「LDL値が180以上」、「手足に黄色腫」、「家族が発症」で

家族性高コレステロール血症の診断基準を詳しく見ると、「LDL値が180以上」、「手足などに黄色腫(黄色いしこり)や皮膚結節性黄色腫がある」、「家族(2親等以内)に家族性高コレステロール血症を発症した人や、心筋梗塞を発症した男性(55歳未満)・女性(65歳未満)がいる」のうち、2つ以上が当てはまる場合は発症している可能性が高いとされる。

通常の治療薬による薬物療法でLDLが目標値まで下がらなければ、腕の静脈から血液を抜いてコレステロールを装置で取り除いて体内に戻す血液浄化療法を行うケースもあるが、2週間に1回の通院で1回4時間の治療が必要になるなどQOLへの影響は大きい。

LDL値低下を妨げるタンパク質「PCSK9」標的のセカンドライン治療薬

一方で、家族性高コレステロール血症では、従来の薬だけでは効果が見られない患者でも、LDL値の分解を妨げるタンパク質「PCSK9」を標的にする「PCSK9阻害剤」を併用することで、LDLコレステロール値を下げられることが分かっている。

今回国内販売が承認された「プラルエント」はこの「PCSK9阻害剤」に当たるが、その使用用途としては、心血管疾患の発現リスクが高く、かつHMG-CoA還元酵素阻害剤などの従来の治療薬での効果が不十分な場合に限られている。同様のセカンドライン治療薬は、今年4月から公的医療保険が使えるようになっており、国内の治験ではセカンドライン治療薬の併用によってLDL値が平均7割下がったという報告もある。

加齢でのリスク増加、早期診断・治療が重要

家族性高コレステロール血症では、加齢により心血管疾患のリスクが高まるため、早期診断・治療が重要となる。しかし、患者や医師の同症状に対する認知度が低く、薬物療法でLDL値が一定程度は下がることなどから見過ごされており、国内の患者は数十万人ともみられるが、実際に診断されているのは1%以下になっているという推計もある。

もしも健診を受けて家族性高コレステロール血症だと分かった場合は、早期から治療や生活習慣の改善に取り組むことで、動脈硬化の進行や心筋梗塞の発症による突然死などを防ぐ鍵になってくるようだ。

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