皮膚障害が発症するメカニズムを特定

最終更新日:2018年9月22日

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薬剤師コラム

皮膚障害が発症するメカニズムを特定

2015.05.22

本来の治療目的には添わない身体反応が起こる薬の副作用。
なかでも皮膚障害は医薬品の副作用が原因で引き起こされることがよく知られている。 神戸大学病院薬学部の研究グループは、分子標的治療薬を服用時に起こる皮膚障害の発症メカニズムの主要因子「STAT3」を特定したと発表した。

皮膚障害

皮膚障害では湿疹ができたり、皮膚全体が赤味を帯びたり、手足だけが赤くなったりする。
赤味が落ち着いた後は色素沈着を起こし、皮膚全体や特定の部位が黒味を帯びたり、表皮に黒い斑点状の模様が出現する。
また、皮膚の乾燥が強くなってかゆみの伴う皮膚炎も併発する。
より症状が悪化した皮膚障害には、スティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群 SJS:Stevens-Johnson Syndrome)や中毒性表皮壊死症(TEN:Toxic Epidermal Necrolysis)がある。
分子標的治療薬に限らず、医薬品の服用による皮膚障害は、患者のQOL低下や減量を招き、薬の投与中止にも及ぶ。

分子標的治療薬

分子標的治療薬は、がん細胞などが特異的に持つタンパク質や遺伝子などの分子レベルを標的(ターゲット)にして集中的に作用する。
従来の抗がん剤に比べて、正常な細胞への負担を軽減できて副作用が減ることから、近年では、がんを対象に様々な分子標的治療薬が開発されて臨床現場で多用されている、しかし、その多くに副作用として皮膚障害が生じている。
「マルチキナーゼ阻害薬」は分子標的治療薬の一種だが、皮膚障害が起こりやすく、特に日本人の発生頻度は高い。その発生頻度は約7割の患者にものぼる。

情報伝達経路STAT3

研究グループでは、分子標的治療薬によって、情報伝達経路STAT3が本来の働きを阻害されることで皮膚の痛みや腫れ・角化などが発生するとした。 STAT3の遺伝子多型ではそれぞれ、皮膚障害にかかる頻度が異なることも発見した。

皮膚障害の抑制

今回の結果で、分子標的治療薬の投与時にもSTAT3が本来の役割を保つことで皮膚障害は抑制されると考えられる。
ビタミンC誘導体の一種である「リン酸アスコルビルマグネシウム」にはSTAT3を活性化させる作用があることが知られており、この「リン酸アスコルビルマグネシウム」の皮膚の局所的に投与することで、皮膚障害を抑制する効果も期待できそうだ。

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