終末期リハビリテーションの今と未来

最終更新日:2018年5月22日

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作業療法士コラム

終末期リハビリテーションの今と未来

2016.09.30

作業療法士は医療従事者の中でも特に患者や患者家族と密接にかかわる機会が多い職種だ。患者ひとりひとりの入院期間を少しでも短縮し、病床活用の効率化が顕著に推し進められるようになった現在、リハビリテーションの現場は病院から地域へ移行しつつある。
アウトカム評価の導入によって維持期リハ(終末期リハビリテーション)が入院病棟から除外され行く中では、訪問看護、介助としてのケアが要介護者を助け、家族をサポートする柱になるだろう。
生命維持が医療の主軸であった時代は終わった。医療技術の役割は人の命を守ることだ。それ自体は依然として変わらないが、今後は患者本人の尊厳を守り、また、患者家族の生活をも守る役割をも期待されるのではないか。終末期リハの未来を考えるとともに、作業療法士のあり方についても改めて検討してみたい。

アウトカム評価から除外された高齢者のリハビリ

2016年の診療報酬改定でリハビリテーションの品質や効果に対する評価が見直された。病院ごと、病棟ごとに細かく評価するためにアウトカム評価が導入され、成果が認められないリハビリテーションについては「入院料」に包括されるようになったのだ。
これがどういうことなのかと言うと、成果が認められなければ、たとえ機能維持のために必要と判断できるリハビリテーションですら「リハビリテーションを実施した」と事実上認められないようになってしまうのである。

病院で行う医療行為は「回復のためのもの」であるべきであり、回復の見込みがないならばなるべく入院は避けるべきという方針なのだろう。だが、当然ながらリハビリテーションを必要とする人口は高齢者が主体であり、作業療法士が寄り添う人々は継続的な機能訓練が停止すれば著しくQOLが低下することは間違いない。
こうした診療報酬改定の動きと同時にやみくもに生命維持のための治療行為を続けるべきではないのではないかという議論も活発化しつつある。患者の尊厳に着目した点は評価できるが、一方で病院に終末期リハビリテーションの場がなくなると、患者や患者家族にはこれまで以上の負担がのしかかるようになってしまう。

急速な高齢化と目前に迫った「2050問題」に向けて推し進められている地域包括ケアシステムの確立がそのひとつの回答だ。全人口の4人に1人が後期高齢者となる時代に向かって作業療法士の活躍の場は病院から地域に広がり、各家庭の中で患者とその家族とともに「終末期」に向き合うようになる。現時点で日本作業療法士協会が認める認定作業療法士は795名。この中で訪問医療に従事している作業療法士はすでに少なくはない。

終末期と向き合う

回復期リハビリテーションを中心としてきた作業療法士が初めて終末期リハに向き合う時には必ず厚い壁に突き当たる。
維持期リハは基本的に終末期リハと言い換えられるのだ。それほど高齢者の人数は増えており、失われ行く命の尊厳を守りつつ、ともに終末に向き合わなければならない機会は多い。

在野の作業療法士にぜひ知っておいてほしいことがある。
それは、ごく普通に暮らしているならば当たり前の「生活」が、終末に向かう患者にとっては救いになるということだ。
1人でベッドから車椅子に移動できた。
1人でトイレに行けた。
坐位を一定時間維持できた。
散歩に出かけられた。
健常者にとっては当たり前の行為が、機能の大部分を喪失した終末期の患者にはこの上ない喜びをもたらすのだ。命の終わりは誰にでも来る。それは避けようがない。
患者や患者家族と寄り添う作業療法士にもプレッシャーや困難は絶えないだろう。だからこそ、業務計画や遂行にあたっては「喜び」を見失わないようにしてほしいものである。

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