県内初の介助犬が誕生、育成事業の普及へ

最終更新日:2018年12月11日

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作業療法士コラム

県内初の介助犬が誕生、育成事業の普及へ

2016.06.08

手足や体幹などの身体が不自由な人の生活を支える「介助犬」。身体が不自由であることの日常生活への影響はさまざまで、福祉機器や補装具があれば一人で出来ることもあれば、例えばベッドの上で電話をしていて電話機を落としてしまった時など、一見大したことがないように見える場合でも、本人にとっては大変なことがある。そんな時に役割を果たすのが介助犬だ。
沖縄県では県の補助犬育成事業の一環で3月17日に費用助成の給付式が開かれた。今回、県内初の介助犬となったのは、ラブラドルレトリバーの雄で3歳になる「オメガ」だ。今年2月に認定試験に合格してからは、現在は市内で難病の脊髄性筋萎縮症を患う男性の介助犬として共同生活を送っている。

介助犬との共同生活

オメガと共同生活を送っている50代の男性が脊髄性筋萎縮症の診断を受けたのは2005年。四肢の筋力低下や筋萎縮を主症状とする脊髄性筋萎縮症は進行性のため、身体は次第に不自由になり、数年後に車いす生活になった。
肢体に不自由がある人のために介助犬が行う日常生活の手助けは、落とした物を拾ったり、指示された物を持ってくることのほか、ドアの開け閉めや不測の事態では助けを呼びに行ったり、緊急ボタンを押すなどもしてくれる。
車いすに座る男性が「Take(取って)」と指示すると、オメガがその呼び掛けに応じて落ちた物や携帯電話をくわえて男性に渡す。またオメガは靴を取ったり、ドアの開閉を手伝ったりしてでも男性の生活を支えている。
「オメガは『大切な家族』という存在」と語る男性は、共同生活を始めたことでこれまで諦めていた日常の作業も出来るようになったという。また「いろんな意味でプラスに感じている」と語る。

指示語は『動詞は英語、名詞は日本語』で

男性がオメガに指示する時に用いられる、いわゆる介助犬の指示語を使う際は、身体が不自由な人にとって多様な障害を複数の指示語によって柔軟に対応しなければならない。公益財団法人日本補助犬協会によると、介助犬の指示語として約60語の動詞は英語、約30語の名詞は日本語が用いられて、介助犬に助けてほしい内容はシンプルに伝えるという。
例えば、「テーブルの上のリモコンを持ってきてほしい」という場合、介助犬への指示語は 『Go to テーブル(テーブルへ)』→『Up take リモコン(テーブルにアップしてリモコンをくわえる)』 →『Bring(持ってきて)』→『Give(渡して)』→『Thank you!(ありがとう。)』という具合だ。
ポイントは1つ1つの行動をくぎって、指示する動作を明確することだ。共同生活が長くなればオメガのように『Take』と言うだけで、欲しいものを探して持ってくるようにもなるようだ。また、新しい指示を覚えさせないといけない場合は、早く理解できるよう介助犬がすでに知っている動詞と名詞を組み合わせて教えていくようだ。

介助犬などの補助犬育成事業の普及に期待

同県の身体障害者更生相談所によると、オメガは補助犬としては県内で7頭目になる。補助犬の種類には、視覚に障害がある人の歩行の手助けをする「盲導犬」、聴覚に障害のある人に電話などの音を伝える手助けをする「聴導犬」、肢体に不自由がある人のものを拾ったりなどの手助けをする「介助犬」の3種類がいるが、県内ではこれまでに盲導犬5頭、聴導犬1頭が活動している。
しかし、介助犬の訓練委託を手掛ける日本介助犬協会によると、介助犬を必要としている人に対して、きちんと訓練されて認定を受けた介助犬(補助犬)はまだまだ足りていない。同協会でも今回の育成事業によって介助犬の普及につながってほしいと期待している。

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