電気刺激を与えることで歩行が可能に

最終更新日:2018年12月18日

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作業療法士コラム

電気刺激を与えることで歩行が可能に

2014.09.20

「自分の足でもう一度立ちたい、歩きたい」
作業療法士ならば一度はこのような言葉を耳にしたことがあるだろう。
歩けない人にとって、もう一度自分の足で歩けるということは、まさに夢のような出来事である。
こんな夢のような話が現実味を帯びてきている。
スイスのEPFL技術研究所が行った実験によって、電気刺激を脊髄に与えることで歩行が可能であることが判明した。
現場で患者と悲しみを共有してきた作業療法士にとって嬉しいニュースとなるのではないだろうか。

脊髄と運動の関係性

脊髄損傷という症状は「完全型」「不完全型」に分かれる。
完全型は脊髄が横断的に断たれたもので、神経伝達機能も完全に絶たれた状態を指す。
不完全型の場合は脊髄の一部が損傷・圧迫などで一部機能に影響を与える。
完全型の脊髄損傷となると、脳と脊髄との情報交換が全くなされず、運動機能・感覚知覚機能がともに失われるため「動かない」かつ「感じない」状態である、いわゆる「麻痺状態」になってしまう。

電気刺激で歩行

スイスにあるEFPL技術研究所の研究者とグレゴアール・クールティーヌ氏は、切断されたラットの脊髄に電気刺激を加える実験を行った。
実験に使われたラットは脊髄が完全に切断されている、完全型の脊髄損傷。
柔軟な電極をラットの脊髄に移植し電気刺激を与え、神経伝達物質を調整する薬剤を投与したところ、無意識の状態ではあるものの歩行に成功した。

電気刺激の周波数で動きを変える

今回の研究でわかったのは「脊髄に電気刺激を与えることで歩行する」ということだけではない。
ラットが脚を上げる高さと電気信号の周波数の間に直接的な関連性が見つかっている。
研究チームは動物の動きをリアルタイムで監視する技術を開発し、さまざまな刺激のパラメーターのパターンを調整。
結果的に、完全に麻痺状態にあるラットが歩行するだけではなく、階段の上り下りも行えるようになったのだ。

クールティーヌ氏の研究チームによる2012年の研究によって、脊髄に電気信号を与えることでラットの歩行を確認していた。
しかし、今回の研究では「意識的な操作なしに」ラットを歩行させることができたのである。

歩行障害の患者を受け持つことの多い作業療法士も目が離せない研究だと言えるだろう。
最終的な目標はもちろん、人への活用だ。2015年夏には人への臨床実験が予定されている。

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