腎疾患における運動療法の可能性

最終更新日:2018年12月11日

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作業療法士コラム

腎疾患における運動療法の可能性

2015.06.09

作業療法士が患者の身体を守り、運動機能を維持あるいは回復させる療法のひとつに「運動療法」がある。
医学の進歩と共に、それまで無縁と思われた病気と治療法が縁付けられ、成果が確認されるケースがみられるようになったが、今回のニュースも腎疾患と運動療法の新しい可能性を示したと言えるだろう。
これまで、多くの腎疾患患者は治療法を確立されておらず、病気の進行を遅らせる取り組みにしても手探りで行うのが一般的だった。
しかし、これからは作業療法士の手助けによって、腎疾患患者の命を守ることが出来るかもしれない。

腎疾患患者に対する運動療法が示した可能性

腎疾患患者が抱えるリスクは腎機能の喪失だけではなく、腎機能の低下に伴う運動量の低下が生命活動を脅かす可能性を含んでいるという所にもある。
実際に運動量が減ると死亡率も上昇してしまうのだ。
2006年から神奈川県にあるリハビリテーション科で腎疾患患者に運動療法をすすめたところ、なんと運動量と身体活動が回復したうえに腎機能の低下が抑制され、機能が一定水準を維持するという結果を見せた。
これは以前の腎臓病の常識からすると信じがたい事実だ。
腎疾患患者において運動は腎臓への負担を増やし、機能の低下を促進すると言われていた。
しかし、実際にこうした運動療法の成果を示されれば、それが間違っていたことは誰にも否定できないだろう。
海外の話になるが、台湾で行われた2014年の発表によると、中級から重度の腎臓患者約6300人を対象に運動と腎機能低下の関連性を追ってみたところ、定期的に歩く人の方があるかない人より死亡率が3割、透析への移行が2割少ないと判った。
いまだに日本では腎臓病患者への運動療法は診療として認められていないが、いずれは作業療法士による運動療法が主流となる時が来るかもしれない。
そうなれば、作業療法士が患者の生命活動維持・回復により積極的に、長期にわたって活躍できる機会となるだろう。

腎疾患に対する運動療法、現在の運動量目安

腎疾患に対する運動療法は現在有効性を証明しようとしている途上にあり、理想の運動量もまだ確定していない。
ただ、リハビリテーションとして運動療法を促進してきた病院の蓄積した情報から推測することはできる。
以下は過去に糖尿病から腎臓病を発症し、運動療法を始めた患者の場合だ。

・歩行:1日1万歩
・スクワット:20回
・爪先立ち:20回
・握力トレーニング:20回

これを療法士の管理のもとに行い1年間継続したところ、歩数は2000歩増え、また、握力トレーニングに関しても握力が以前より2割増えたという。 腎疾患に対する治療の常識が間違っていたという今回のニュースは、あるいはほかの病気においても同じことがあるかもしれないという可能性を示している。
野生動物は自力で歩けなくなったら死んでしまうそうだが、人にも自由に活動したいと言う本能が生き残っているのではないか。
患者にも医療関係者にも、身体を動かす事の重要性を改めて考えてほしいと思う。

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