脳卒中後のまひに3つの最新リハビリ治療法

最終更新日:2018年8月17日

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作業療法士コラム

脳卒中後のまひに3つの最新リハビリ治療法

2015.04.09

従来、脳卒中による後遺症の「上肢まひ」へのリハビリテーションは、「発症3~6か月以降、改善がほとんど見られない」といわれていた。
このため今までのリハビリテーションでは、まひ側ではない健康な手指を使い、生活機能の改善訓練を施していた。
だが、脳科学分野の進歩によって、脳には環境条件によって変化する能力が以前考えられていた以上にあり、発症6か月以降もリハビリテーションを続ければ、まひ側の手指を用いた機能の改善が可能性があることが徐々に分かってきた。
2000年以降、いろいろな治療法が取り組まれているが、特に代表的な3種類のリハビリテーション療法を紹介しよう。

CI療法

元々、健康な人でも、体の中で「よく使う部位に繋がる脳の細胞組織が発達している」ことはよく知られている。 学習を繰り返すことによって神経と神経を繋ぐネットワークが広がったり、神経伝達がよりスムーズに行われたりするからだ。
CI療法は、この理論を応用したもので、あえて麻痺した手だけで様々な作業療法を行うことにより、手の回復を促通しようといった治療方法だ。
この療法の良さは、作業療法訓練前に目標を患者本人に決めてもらい、訓練中は「どうしてうまくいかなかったのか」「どうすればうまくできるか」などを考えさせるプロセスが組み込まれていること。 リハビリに対する自主性が育ち、患者の満足度も高いという。

反復性経頭蓋磁器刺激療法(通称:rTMS)

rTMSは、頭の上にあてた電気コイル内に電流を流して磁場を発生させ、脳内に僅かな電流を誘導するもの。 これにより神経細胞を刺激し、病巣周囲の組織の神経細胞を活性化させ、神経ネットワークを再構築させることで、まひが改善されることがある。
欧米では、うつ病、失語症、統合失調症の治療にも使われており、現場ではもっぱらこちらのイメージが強いのではないだろうか。
脳卒中後のまひリハビリでの適用例としては、東京慈恵医大大学と北海道北斗病院の例がある。
患者は2週間の入院中、毎日rTMSの施術を40分(北斗病院の場合は20分)程受け、作業療法を2時間(北斗病院の場合は1時間)、集中的に行うことで手指のまひを改善させている。 これによって食事時に茶碗が持てる、ドアノブを回せるようになるなどの成果があったという。 さらに、重度まひの場合は、ボツリヌス毒素療法で痙縮(筋肉が異常に緊張し、硬くなる)を和らげ、手指の作業療法の訓練を受ける。

HANDS療法

脳卒中後のまひは、たとえば指を曲げることができても、伸ばすことが難しくなる。
この場合は、物をつかむことはできても離すことができない。よって生活に必要な動作にはつながりにくい。
HANDS療法は、まひが生じた手指に対し、手関節固定装具と随意運動介助型電気刺激装置(通称:IVES)を装着して、集中的に手指を動かす作業療法訓練を行う。 訓練プログラムによって異なるが、リハビリは生活に必要な動作を1日8時間、3週間続ける。 その結果「つかんで離す」動作ができ、まひした手が部分的に改善されるようになる。 この療法は、通常入院して行われるが、山王リハビリクリニックでは、通院で週3~5回の頻度で1回あたり2時間治療を行うような例もある。 脳科学の進歩により、今後これらのリハビリテーション医療の種類や手法は更に増えていくものと思われる。 特に、超高齢社会に突入したこの社会ではかつてないほど脳卒中のリスクが高まっており、脳卒中後のリハビリテーションは今度社会的な課題となっていくだろう。
こうした中で、最新の療法をチェックし、自らのキャリアに組み込んでいくことで更なる地平が見えてくるかもしれない。

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