変形性膝関節症に運動療法が効果的

最終更新日:2018年12月11日

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作業療法士コラム

変形性膝関節症に運動療法が効果的

2015.03.24

日頃のちょっとした買い物や仕事や育児が落ち着いて楽しい海外旅行に行くにも歩こうとすると膝に痛みが出る。 そんな症状が50歳を過ぎれば出てくることがある。
オーストラリア・シドニー大学のMarlene Fransen氏らによるシステマティックレビューの結果、運動療法は変形性膝関節症(膝OA)の疼痛軽減および身体機能改善に有用であり、その効果は治療終了後2~6ヵ月間持続することがわかった。 2015年1月9日付けのCochrane Database of Systematic Reviews(電子版)にて報告された。

変形性膝関節症(膝OA)

関節が抵抗無く滑らかに動くのは、骨の表面に数mm程度ある軟骨が柔らかいクッションの役割をしているためで、この軟骨が磨り減ることにより関節の痛みなどの症状が起こる病気が変形性関節症(OA)だ。
膝OAでは、歩き始めに痛みがあり、長距離歩行や階段の昇り降りで痛みが強くなる。
進行が進むと、膝の曲げ伸ばしが制限され、深い屈曲を必要とする正坐やしゃがみこみが困難となり、日常生活動作もままならなくなる。 50歳を過ぎると急激に増加すると言われ、国内患者は2400万人、その中で痛みを有する患者が820万人いると推定される。
運動器の衰えや障害によって、要介護になるリスクが高まるロコモティブシンドロームの原因の一つとしても挙げられる。

運動療法の効果測定

研究グループは、5つのデータベースから2013年5月までの論文など54試験を抽出して、膝OA患者における「膝痛」・「身体機能」・「QOL」を評価項目に挙げて、「運動療法」・「非運動療法」・「非治療」を比較したランダム化比較試験(RCT)を行った。
その結果、運動療法は治療終了時に「疼痛を軽減する」、「身体機能を改善する」、「QOLを改善する」ことが認められ、治療終了2~6ヵ月後でも「膝痛」・「身体機能」に持続的な治療効果が示された。
また、個別に提供する運動プログラム(運動療法)のほうが、グループや在宅での運動より効果が大きい傾向がみられた。
レビューの結果を踏まえて研究グループは、「運動療法の膝OAに対する治療効果は中等度で比較的短期、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の効果と同程度」とした。

膝OAの治療

膝OAの治療では、一度損傷消失した軟骨は再生しないため、QOLの向上を目的に痛みなどの症状を取り除く保存療法か手術療法を行う。 「保存治療」では、まずは肥満が原因の患者にはダイエットで体重を減らすことが優先される。
痛み止めやシップなどで痛みや炎症を抑えたり(薬物療法)、ステロイドやヒアルロン酸(軟骨の成分)を注射によって注入して関節の潤滑や機械刺激の緩和なども行う。 その他に今回の運動療法(筋力訓練、ストレッチ、歩行などの軽い運動)、物理療法(温熱療法など)、サポーターや膝装具の利用などがある。
「手術治療」では、変性断裂した半月板を部分的に切除する関節鏡手術や日本人に多い内側型OAによって内側に掛かっている体重を健康な外側の軟骨で受けるようにする高位脛骨骨切り術、変形した骨の表面を削って金属に置き換える人工関節置換術などがある。
どの手術も原因療法では無いので治療効果には限界があり、軟骨損傷の強い場合は効果が無いことも多い。
人工関節置換術は、感染、緩みなどの合併症がある。 膝OAの治療において運動療法は主要な非薬理学的介入の1つであり国際的なガイドラインで推奨されている。

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