より効果的な脳トレを認知症ケアにも活用

最終更新日:2018年12月18日

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作業療法士コラム

より効果的な脳トレを認知症ケアにも活用

2015.02.21

国際電気通信基礎技術研究所(ATR、京都府精華町)のチームは、記憶力の改善などを図る「脳トレ」の各個人への効果を脳の血流を調べることで予測することに成功したと5日付のイギリスの科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に発表した。

ATR認知機構研究所の今水寛所長は、「個人の特性にあった効率的な脳トレの実施のほか、(物忘れや認知症などの)認知機能低下のメカニズム解明、記憶力を向上させる方法の開発にも活用したい」と話す。

「作業記憶」(ワーキングメモリ)

同研究所によると、電話番号を覚えてかける、複数の料理を調理するなど、必要な情報を脳内に一時的に保持し処理する認知機能は「作業記憶」(ワーキングメモリ)と呼ばれ、加齢や疾患の影響で低下する傾向がある。

この機能を高めるトレーニングがさまざまな形で試みられているが効果には個人差がある。 同チームの研究では、機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)を使い、実験に参加した10代~20代の男女17人の脳血流を測定し、この測定データをもとに、作業記憶のトレーニングでどれだけ成績が上がるか、参加者ごとに脳トレの成績を予測した。 その後、モニターに次々表示されるアルファベットを記憶していく脳トレに各参加者が実際に取り組んでその成績と照合した結果、73%の精度で当初の予測と実際のトレーニング効果の結果が一致した。

これにより各個人の作業記憶が機能する際に活性化し重要な役割があるとされる脳内の部位や部位間の連動性などのパターン解析も可能になり、個人の特性にあわせた脳トレ法を選ぶことができるようになると期待されている。

同研究所は、「(物忘れや認知症などの)認知機能が低下している人と健常者を比較し、(部位間の連動性の相違の)原因を特定すれば、(認知症ケアに)効果的なトレーニングが可能になる」としている。

認知症ケアの機能訓練

東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修のゲームソフトで「脳トレ」は社会現象にもなった。 広く親しまれるようになったのは記憶力や学習能力などの脳機能全般を向上させるトレーニングだ。現在はスマートフォンのアプリでも、脳科学や認知科学に基づいた各脳分野のトレーニングが手軽に楽しめるようになっている。

グループホーム(認知症対応型共同生活)、精神科デイケアや認知症対応のデイサービスなどでも「脳トレ」はリハビリ・予防リハビリとして行われている。 作業療法士の行う機能訓練のメニューに含まれ、連想ゲームや間違い探し、パズルなど様々なゲーム形式の「脳トレ」が提供されている。 このような施設にも個人ごとに効果的な「脳トレ」を導入できるようになることで認知症ケアの効果も期待できる。

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