「バイオレットライト」、成人強度近視患者の近視の進行を抑制

最終更新日:2018年10月24日

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視能訓練士コラム

「バイオレットライト」、成人強度近視患者の近視の進行を抑制

2018.01.18

現在、世界的に見ても「近視人口」は増加の一方を辿っており、2050年には約50億人(強度近視は約10億人)になるという予測も報告されている。

近視の発症・進行する原因はいまだ不明な点が多いが、これまでに複数の疫学研究・動物実験から「屋外環境が近視進行を抑制する」ことが指摘されていた。

慶應義塾大学は11月22日、坪田一男氏(同大医学部眼科学教室教授)、根岸一乃氏(同教授)、栗原俊英氏(同特任准教授)、鳥居秀成氏(同助教)らの研究グループが、屋外環境に豊富にあるバイオレットライトが成人の強度近視患者の近視進行(眼軸長伸長)を抑制する可能性があることを発見したと発表した。

同研究成果は、2017年11月号の「Scientific Report」(電子ジャーナル版)に掲載された。

先行研究では「バイオレットライト」の若年者の近視進行抑制効果を報告

国内における失明(視覚障害 1 級)原因の第4番目にも挙げられている「強度近視」は、失明リスクも非常に高いことが知られている。

眼の奥行きである「眼軸長」が伸びることで近視が進行すると考えられているが、現在、成人の強度近視患者に対し、近視進行抑制に有効となる眼軸長伸長の抑制方法は見つかっていない。

一方、同研究グループでは2016年12月に、屋外環境に豊富にあるバイオレットライト(波長360~400nmの可視光)が若年者(13~18歳時)の眼軸長伸長の抑制に有効である可能性を報告していた。

バイオレットライトの透過率によって、眼軸長伸長量に有意に差があり

今回、同研究グループでは、成人強度近視患者に対して、「有水晶体眼内レンズ術」(強度近視の屈折矯正手術)後での長期間にわたる近視進行を検討(手術後5年間)し、術中に使用するレンズの種類による違いがあるかどうかを調べた。

使用したのは、バイオレットライトをほとんど透過しない「ARTISAN(R)(Ophtec BV,Groningen,Netherlands)」とバイオレットライトを透過する「ARTIFLEX(R)(Ophtec BV)」の2種類のレンズ(ともに虹彩支持型の有水晶体眼内レンズ)。

今回の研究では、ARTISANを挿入した群(AS群)11例11眼と、ARTIFLEXを挿入した群(AF群)15例15眼を研究対象とした。研究結果では、2種類のレンズ群間での眼軸長伸長量に有意差が認められたという。

この違いは、「高次収差」「残余乱視」、「有水晶体眼内レンズの分光透過率」、「モデル眼を用いた軸外収差シミュレーション」などでの比較検討も行い、「有水晶体眼内レンズの分光透過率」以外では有意な差を認めなかった。

このことから、今回の結果の差は、バイオレットライトの透過率の違いが生み出している可能性が示唆されたという。

若年者だけでなく、成人の強度近視患者にも有効

今回の研究成果から、バイオレットライトは、若年者のみならず、成人の強度近視患者の眼軸長伸長も抑制し、失明予防の一端を担うことが期待される

今後、同研究グループでは、バイオレットライトによる近視進行抑制効果をさらに追究するとともに、産学連携による製品開発も行っていくとしている。また、将来的には。異常な眼軸長伸長を止める治療法の開発にも結びつけたいとしている。

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