『強度近視』の早期発見法を開発へ、東京医科歯科大

最終更新日:2018年6月20日

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視能訓練士コラム

『強度近視』の早期発見法を開発へ、東京医科歯科大

2016.07.21

失明原因の1つに挙げられている『病的近視(強度近視)』。近視が原因で眼球が変形してしまい、成人後には失明を招いてしまう目の病気だ。

東京医科歯科大学は6月8日、同大大学院医歯学総合研究科眼科学分野の大野京子教授らの研究グループが『病的近視』の患者の多くは学童期に現れる通常の学童近視とは異なり、網膜に萎縮が起きるという特徴的な眼底所見を示すことを突き止めたと発表した。研究成果は国際科学誌「Ophthalmology」(電子版)に掲載されている。

同大学病院の眼科には、登録患者約4,000名の世界最大級の強度近視専門外来があるが、患者の約2割が失明に至っているという。またこれまでに病的近視の根本的な治療法も見つかっていないため、今回の所見を発症リスクの早期診断や発症を抑える新たな治療法の開発につなげる考えだ。

眼球がいびつに変形する病的近視(強度近視)

日本人の4割近くは近視と推測されているが、強度の近視になると、眼鏡などで矯正が可能で視力も保てる場合と、矯正しても視力が0.7未満の状態で視力回復ができずに失明する(病的近視)場合に別れる。

一般的な近視は眼球が奥行き方向へ伸びてしまうことが原因で起こるが、病的近視では眼球がいびつに変形してしまい、その影響で網膜や視神経に障害が生じて、失明に至る。この病的近視は40歳以上の5.5%にみられ、そのうち20~25%は黄斑変性や緑内障などの合併症を引き起こして失明に至るという。国内の疫学研究「多治見スタディ」においては、『病的近視』が失明原因の第1位(20%)を占めている

東アジア諸国では学童近視・若年近視の頻度が急増

近年、日本や韓国を始めとする東アジア諸国で学童期・若年期の近視の頻度が急激に増加することが社会問題となっている。一方で、その後に近視が進むことで病的近視にまで至ってしまうのか、それとも眼鏡などで良好な矯正視力を維持することが可能なのかは分かっていなかった。

そこで研究グループは、15歳以下の時点で近視と診断された後、成人以降に病的近視が原因で失明した患者の小児・学童期(5~15歳)における特徴的な眼底所見を調べた。その結果、対象となった病的近視の視覚障害患者の8割以上が、小児期(15歳以下)からすでに視神経周囲が黄色く変色し、「びまん性萎縮病変」が見られ、網膜が萎縮して薄くなっていたという。この症状は一般的な眼底検査でも見つけられるものだが、通常の学童近視には見られなかった所見だという。同研究グループでは今後、萎縮が見られた小児のどの程度の割合で病的近視を発症するのかを追跡調査する考えだ。

病的近視の発症リスクを早期検査で予測

今回の研究結果により、学童近視を抱える子どもを対象に早期から眼底検査を実施することで、小児・学童期から病的近視による失明を起こしうるケースと、眼鏡矯正などで良好な視力を維持できる通常の学童近視を見分けることが可能となる。子どもの近視が増加している中で、失明リスクが無いこと分かれば、子どもの失明への不安を取り除くことも出来る。

研究グループでは、早期診断によって病的近視の発症リスクがあることが分かれば、病的近視への進行を抑制する予防的な介入も可能になるとして、失明を防ぐ治療法の確立にもつなげたい考えだ。

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