老化による動体視力の低下のメカニズム

最終更新日:2018年10月24日

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視能訓練士コラム

老化による動体視力の低下のメカニズム

2015.03.23

サッカーや野球などのボールを扱うスポーツ競技で周りを動く選手やボールの動きを見たり、車を運転する際に歩行者や対向車などの動いている物体を見る動体視力
この動体視力が老化によって低下することがわかった。
大阪大蛋白質研究所の古川貴久教授らの研究グループが2月6日付けのアメリカ科学誌Cell Reports(電子版)に発表した。

動体視力

眼球の運動や瞬間的に物を見る力などいくつかの要素によって決められる動体視力。
スポーツの世界では優秀な選手ほど優れていると言われる。
メジャーリーグのイチロー選手は日本でのプロ選手時代に「0.1秒だけ表示される8桁の数字を答える」という検査で、他の選手が平均4桁まで答えたところを7桁まで正解したという。
サッカーやバスケットボールのように選手やボールの左右方向の動きを判断するDVA(Dynamic Visual Acuity)動体視力と、野球やF1など遠くから近づいてくる物体を見抜くような前後方向の動きを判断するKVA(Kinetic Visual Acuity)動体視力がある。

視神経細胞を接合するシナプスの存在

古川教授らの研究グループでは、マウスを使った実験で目の網膜に最も多く現れるタンパク質「4.1G」と網膜の視神経細胞を接合するシナプスの位置に着目した。 網膜の視神経細胞においてシナプスによる情報伝達が上手く機能するのに必要なのがタンパク質「4.1G」だ。
脳内では神経細胞のシナプスを介した伝達が機能しないと神経伝達物質の放出異常が起こり、脳梗塞やアルツハイマー病、統合失調症、うつ病などの脳神経疾患に及ぶと考えられる。
実験では若いマウスが正常だったのに対し、高齢マウスと「4.1G」がないマウスはシナプスの位置が乱れていた。
「4.1G」が不足しているために必要なたんぱく質をシナプスの末端に運べなかったことが原因という。 老化によって網膜の視神経細胞でのシナプスの位置が移動することは知られていたが、シナプスの位置の変化が視覚機能に影響することが分かった

老化による動体視力低下の緩和

高齢者は自動車の運転能力の低下の恐れがあるため、75歳以上になると運転免許更新時の適性検査で動体視力検査が行われている。 今後の研究では、老化によって移動するシナプスの位置を固定する研究を行っていくことで、老化による動体視力の低下を緩和させる治療法の開発にも期待がかかってくる。

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