iPSによる「加齢黄斑変性」手術

最終更新日:2018年4月27日

Select Language >>

0120-978-003
月~土 9時~18時 / 夜間・日・祝は受付のみ
視能訓練士コラム

iPSによる「加齢黄斑変性」手術

2015.02.23

昨年9月、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらと先端医療振興財団のチームによって世界初のiPS細胞による移植手術が行われた。
患者の病名は「加齢黄斑変性」。 視力低下を招き、最悪の場合は失明にいたる眼疾患だ。
これまでにまだ根本的な治療方法が確立されておらず、視力低下を遅らせるための注射やレーザー照射などの対処療法しかなかった。
手術を受けた70代の女性はこれまでに何度も注射を受けても視力の低下が止まらなかったが、手術後の目の見え方に改善が見られており経過も順調だ。

iPS細胞の臨床研究

iPS細胞はドナー提供なしに損傷を受けた生体機能を復元させる再生医療の実現に大きな役割を担うことを期待されている。
また難病の発症メカニズムの解明や治療方法の確立にも役立つとされており、各国で競って様々な研究が進められている。
世界初の作製に成功した山中伸弥教授が、2012年にノーベル医学生理学賞を受賞したことでも記憶に新しい。

加齢黄斑変性

加齢黄斑変性」とは目の難病で、加齢により網膜の中心部である黄斑に異常が生じて視覚が著しく歪んでしまう病気だ。
近年、国内で発症者が増加している目の病気で、患者数は推定で約90万人に上る。
視界の中心部が暗くなってしまったり、モノがゆがんで見える症状が現れ、、進行すると視力が低下していく。
これまでに完治させる治療法はなく、薬を患者の目の眼球に直接注射する治療やさらに進行が進んでいる場合は「光線力学的療法」で新生血管を閉じることなどで対処していた。

世界初のiPS細胞による手術

世界中から注目されたこの手術では、患者の女性自身の細胞から作られたiPS細胞を網膜細胞に分化し、シート状に培養して貼り付けるようにして右目に移植した。
手術の翌日には女性が「見え方が明るくなった」と話し、手術後に異常が現れるなどもなく経過は良好で、現在では退院している。
しかし、まだ手術の有効性や安全性が確証されているわけではなく、今後4年間に渡って定期的な検査を行われる。 またこの加齢黄斑変性での臨床研究では、残り5人の患者に対して手術を行う予定で、引き続きiPS細胞移植手術の有効性や安全性を確かめる。

今回の手術では移植細胞の作製に1年以上掛かっており、数千万円の費用が必要になっている。
一般化にはまだ時間が掛かりそうだが、安全性と共に患者の負担軽減に関する取り組みも強く望まれている。

■メドフィットが納得の転職を実現します!
⇒視能訓練士の求人一覧

関連コラム