公開日:2019.03.01
最終更新日:2021.10.06
慶應義塾大学は1月23日、坪田一男氏(同大医学部眼科学教室教授)、栗原俊英氏(同特任准教授)、森紀和子氏(大学院医学研究科博士課程3年)らの研究グループが、ロート製薬株式会社と共同で行った研究によって、クチナシ由来の色素成分「クロセチン」の以下のような効果を確認したことを発表した。
・「EGR-1※」の発現量を増やす効果がある(※近視進行抑制に関連する遺伝子のひとつ)
・近視誘導モデルで「眼軸長の伸長」や「屈折度数の変化」を有意に抑制する
同研究成果は、世界初となるもので、学際的総合ジャーナル「Scientific Reports」に1月22日付で掲載されている。
公開日:2019.02.13
最終更新日:2021.10.06
名古屋大学は1月18日、新井史人氏(同大未来社会創造機構教授)、小俣誠二氏(同大大学院工学研究科特任助教)の研究グループが、相原一氏(東京大学大学院医学系研究科教授)の研究グループ、光石衛氏(同大大学院工学系研究科教授)の研究グループ、三井化学株式会社と共同で行った研究によって、『眼科手術シミュレータ』に搭載可能な、ヒトの「強膜の感触」を忠実に再現した緑内障手術練習用眼球モデルを開発したことを発表した。
同モデルは、2019年1月11日の公開シンポジウム「バイオニックヒューマノイドが拓く新産業革命」、2月1~3日の「第42回日本眼科手術学会学術総会」で展示公開するほか、3月27~30日(豪州)の「World Glaucoma Congress 2019」にて学術発表する。
公開日:2019.01.11
最終更新日:2021.10.06
順天堂大学は11月28日、松田彰氏(同大大学院医学研究科眼科学准教授)、海老原伸行氏(同教授)らの研究グループ(眼アトピー研究室)が行った研究によって、アトピー性角結膜炎(難治性かつ慢性重症)の患者の結膜組織の微量サンプルを用いた網羅的な遺伝子発現解析から、眼表面の『免疫グロブリン遺伝子』と『黄色ブドウ球菌感染に対する生体防御に関連する遺伝子群』の発現上昇を発見したことを発表した。
同研究成果は、「The Journal of Allergy and Clinical Immunology」(電子版)で発表されている。
公開日:2018.12.03
最終更新日:2021.10.06
ドライアイは、世界的にも最も多い眼疾患になっており、日本国内では2000万人、世界には10億人以上いると推測されている。
ドライアイの原因となるのは、「加齢」や「ストレス」、そして、パソコンやスマートフォンなどの「デジタル機器の使用時間の増加」などが挙げられ、今後も増加すると考えられている。
順天堂大学は10月10日、村上晶氏(同大医院眼科教授)、猪俣武範氏(同助教)らの研究グループによって、ドライアイ患者は『最大開瞼時間』が有意に低下しており、涙液層破壊時間と正の相関が認められたことを発表した。
同研究成果は、「Scientific Reports」に掲載されている。
公開日:2018.11.21
最終更新日:2021.10.06
国内における失明原因の第1位を占める『緑内障』は、日本人の40歳以上の20人に1人が発症すると推定されている。
この緑内障の8割を占めるのは、『開放隅角緑内障』だ。
年齢や高眼圧、近視などが緑内障リスクと考えられているが、生活習慣においてリスクとなるものはよくわかっていない。
旭川医科大学は10月3日、木ノ内玲子氏(同大医工連携総研講座特任准教授)らの研究グループによって、「肉を食べる頻度が少ない女性」は、緑内障リスクが高いことを示されたことを発表した。
同研究成果は、科学雑誌「PLOS ONE」に掲載された。
公開日:2018.11.01
最終更新日:2021.10.06
名古屋大学は9月12日、新井史人氏(同大大学院工学研究科教授)、小俣誠二氏(同特任助教)の研究グループが、相原一氏(東京大学大学院医学系研究科教授)の研究グループ、光石衛氏(東京大学大学院工学系研究科教授)の研究グループと共同で行った研究から、眼科手術シミュレータに搭載することのできる『緑内障手術用眼球モデル』を開発したと発表した。
同研究成果は、第29回緑内障学会、国際学会「MHS2018」でそれぞれ発表され、第27回コンピュータ外科学会および「MHS2018」などで展示される予定。
公開日:2018.10.19
最終更新日:2021.10.06
韓国・ソウル国立大学ポラメ医療センターの研究グループによって、発症後早期のパーキンソン病患者において眼の「網膜」が薄くなっており、網膜が薄くなるほどパーキンソン病の重症度が高まることが明らかになった。
同研究グループでは、将来的に「眼の画像検査」によって、パーキンソン病の運動症状が現れる前段階で同疾患を発見できるようになるかもしれないとしている。
同研究結果は、8月15日付けの「Neurology」(電子版)に発表された。
公開日:2018.09.26
最終更新日:2021.10.06
コンタクトレンズを使用している人の中には、コンタクトレンズを外さないまま、つい一晩寝てしまったという経験のある人がいるかもしれない。
しかし、これはとても危険な行為。今回、アメリカの50代の男性が、コンタクトレンズの感染が原因で角膜に重度の潰瘍ができ、穴が開いてしまった(角膜破裂)などの報告があった。
米疾病対策センター(CDC)によると、コンタクトレンズを装着したまま寝た場合、重篤な眼の感染症リスクが6~8倍に高まるとしている。
この報告は、CDC発行の「Morbidity and Mortality Weekly Report(8月16日号)」に掲載された。
公開日:2018.09.13
最終更新日:2021.10.06
東北大学は8月24日、中澤徹氏(同大大学院医学系研究科眼科学分野教授)、佐藤孝太氏(同助教)、山本雅之氏(同大東北メディカル・メガバンク機構教授)、三枝大輔氏(同講師)らのグループによって、緑内障モデルマウスを用いて、視神経障害のバイオマーカーを同定したと発表した。
同研究成果は、「Scientific Reports」(電子版)に掲載された。
公開日:2018.08.16
最終更新日:2021.10.06
カナダの研究チームが行った50万人以上のカナダ人高齢者を対象とする研究によって、白内障の高齢ドライバーが手術を受けることで、その交通事故リスクがわずかに低下することが明らかになった。
リスクの低下度は9%とわずかではあるものの、同研究チームでは、「白内障手術による視機能の改善」が、高齢者の自動車運転に伴う交通事故のリスク低下との関連を示すものとしている。
今回の研究結果は、6月28日付けの「JAMA Ophthalmology」(電子版)に発表された。
公開日:2018.07.23
最終更新日:2021.10.06
奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)は6月18日、 太田淳氏(同大先端科学技術研究科物質創成科学領域教授)らの研究グループと、石川正俊氏(東京大学大学院情報理工学系研究科教授)らの研究グループが共同で行った研究によって、ユーザーが1人で「眼底網膜像」を撮影することが出来る新しい小型眼底カメラシステムの開発に成功したことを発表した。
同研究成果は、「2018 Symposia on VLSI Technology and Circuits」(ハワイで開催)で発表された。
公開日:2018.05.22
最終更新日:2021.10.06
ドライアイは、日本国内に2000万人、世界には10億人以上の患者がいると推測され、最も多い眼疾患になっている。
ドライアイの原因としては、加齢、ストレス、デジタル機器の使用時間の増加などが考えられており、ドライアイはいわゆる現代病として今後も増加することも考えられている。
順天堂大学は4月6日、村上晶氏(同大医学部附属順天堂医院眼科教授)、猪俣武範氏(同助教)らの研究グループが、2016年のドライアイ診断基準の改定を受けて、「旧ドライアイ診断基準」と「新ドライアイ診断基準」におけるドライアイ患者の分布について調査を行った結果、ドライアイ確定患者数が33%増加することが明らかになったと発表した。
同研究成果は「Scientific Reports」で発表された。
公開日:2018.03.07
最終更新日:2021.10.06
PCやスマホ、タブレットなどの長時間の使用増加に伴って増えている目のトラブルが「ドライアイ」だ。コンタクトレンズの使用によってドライアイが発生するケースもある。
国内では、約10人に1人の割合でこの「ドライアイ」の患者がいると推定される。
ドライアイを防ぐのに必要になるのが「涙(涙液)」だ。「涙」は、脂質層(油層)・水層・ムチン層の三層から構成されるが、最も外側にある脂質層が液の蒸発の防止や感染の防御、涙の表面張力の低下に重要な役割を担っている。
また、水層は角膜への水・ 栄養の供給や感染の防御、ムチン層はタンパク質「ムチン」が多く粘性が豊富で、涙を角膜の表面で安定化させている。
北海道大学は1月18日、木原章雄氏(同大北海道大学大学院薬学研究院教授)らの研究グループが、マウス実験によって、ドライアイの防止には『脂質の長さ』が重要であることを解明したと発表した。同研究成果は、「FASEB Journal」に掲載されている。
公開日:2018.02.02
最終更新日:2021.10.06
緑内障などの視神経疾患の病態解明・薬剤効果の判定などの薬物研究には、研究用の視神経細胞(網膜神経節細胞)が必要にある。しかし、視神経は中枢神経であるため、ヒトでは採取できない。
そのため、これまでマウスなどの動物の網膜から摂取した視神経細胞の培養による動物モデル(in vivo実験)が使用されてきたものの、薬物に対する反応はしばしばヒトとは異なるため、ヒトに有効な薬物開発は円滑に行えなかった。
また、ES細胞・iPS細胞などの多能性幹細胞の研究が進められている再生医療の分野でも、ES細胞・iPS細胞から網膜(・その一部分である視細胞)を作る研究は行われてきたが、視神経細胞を作ることは、非常に困難とされてきた。
国立成育医療研究センターは11月29日、東範行氏(同センター病院眼科医長(研究所 視覚科学研究室長))の研究チームが、ヒトES細胞から視神経細胞を作製することに成功し、視神経細胞を用いて薬物の効果を判定する技術を世界で初めて開発したと発表した。
同研究成果は、「Scientific Reports」で発表されている。
公開日:2018.01.18
最終更新日:2021.10.06
現在、世界的に見ても「近視人口」は増加の一方を辿っており、2050年には約50億人(強度近視は約10億人)になるという予測も報告されている。
近視の発症・進行する原因はいまだ不明な点が多いが、これまでに複数の疫学研究・動物実験から「屋外環境が近視進行を抑制する」ことが指摘されていた。
慶應義塾大学は11月22日、坪田一男氏(同大医学部眼科学教室教授)、根岸一乃氏(同教授)、栗原俊英氏(同特任准教授)、鳥居秀成氏(同助教)らの研究グループが、屋外環境に豊富にあるバイオレットライトが成人の強度近視患者の近視進行(眼軸長伸長)を抑制する可能性があることを発見したと発表した。
同研究成果は、2017年11月号の「Scientific Report」(電子ジャーナル版)に掲載された。
公開日:2017.12.18
最終更新日:2021.10.06
日本人の発症割合2~3%と言われる「斜視」は、交通事故で頭を強打した場合や脳腫瘍、甲状腺などが原因となるケースもあり、手術で目玉の筋肉を調節するのが一般的だ。また、糖尿病や高血圧が原因の場合もあり、食生活や運動習慣、睡眠時間などの見直しが予防につながるだろう。ここでは、大人になってからの斜視について、原因や診断、手術方法について解説する。
公開日:2017.11.13
最終更新日:2021.10.06
国内における中途失明原因の第1位の疾患である「緑内障」。40歳以上では、5%の割合で発症し、加齢に伴いさらに上昇する眼疾患だ。
山梨大学は、小泉修一氏(同大医学部薬理学講座教授)、篠崎陽一氏(同講師)の研究チームが、柏木賢治氏(同大医学部眼科学講座准教授)、原田高幸氏(東京都医学総合研究所視覚病態プロジェクト参事研究員)、大野伸彦氏(生理学研究所分子神経生理部門准教授(現自治医科大学))、Bernard Robaye氏(ブリュッセル大学教授)、岩田岳氏(東京医療センター臨床研究センター分子細胞生物学研究部部長)との共同チームによる取り組みから、眼圧のコントロールには「細胞外ヌクレオチド」とその受容体(P2Y6受容体)が重要であり、P2Y6受容体の欠損で眼圧が上昇し、「緑内障」に類似した症状を引き起こす、眼圧をコントロールする新しいメカニズムを発見したと発表した。
同研究成果は、10月5日付けの米国医学誌『JCI Insight』に掲載されている。
公開日:2017.09.28
最終更新日:2021.10.06
眼科分野では、一部の網膜硝子体手術などは難手術とされており、術者の手技の向上が課題であるが、一方で、実際の人間の眼球・頭部の可動性をできるだけ忠実に再現したような模擬眼球はまだ開発されていなかった。
名古屋大学は8月7日、新井史人氏(同大学大学院工学研究科教授)らと東京大学の研究グループとの共同研究によって、眼科手技を模擬した『眼科手術シミュレータ』を開発したことを発表した。
公開日:2017.07.24
最終更新日:2021.10.06
近年では、人体の一部を再現する「生体組織チップ」の開発が盛んに進められている。その対象は肺や肝臓、腸などが中心となっており、生体組織チップを活用した創薬研究などが行われている。
一方で、「眼」を対象とした生体組織チップ研究についてはほとんど行われていなかった。
東北大学では6月13日、梶弘和氏(同大大学院工学研究科准教授)、阿部俊明氏(同医学系研究科教授)らが共同で、失明に繋がる網膜疾患である『滲出型加齢黄斑変性』の病態の一部を生体組織チップ上で再現することに成功したと発表した。
同研究成果は、「Scientific Reports」(電子版)に掲載されている。
公開日:2017.06.01
最終更新日:2021.10.06
視覚障害で最も多いのが「近視」。この近視が発症進行するのは、眼軸長(角膜から網膜までの長さ)が延長することによるが、特に眼球の後ろが伸びてゆき、眼球の異常変形がみられ(強度近視)、さらに網膜や視神経の重篤な障害をきたす病的近視に陥ることもある。
これまでに、近視進行を抑制する治療法としては、この「眼軸長の延長」を抑制する研究が行われているが、安全で効果のある治療法は確立されていない。
東京医科歯科大学では4月7日、大野京子氏(同大大学院医歯学総合研究科眼科学分野教授)と吉田武史氏(同講師)の研究グループが、近視進行モデルラットによる実験で、眼球壁の強膜周囲を移植したヒト線維芽細胞で補強することで、近視進行を抑制できることが分かったと発表した。
同研究成果は、4月12日付けの「Journal of Tissue Engineering and Regenerative Medicine」(電子版)に掲載されている。