その「ほくろ」は大丈夫?「ほくろ」と「メラノーマ」の違いや見分け方

最終更新日:2021年4月28日

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看護師コラム

その「ほくろ」は大丈夫?「ほくろ」と「メラノーマ」の違いや見分け方

2021.04.27

紫外線などが原因の皮膚がんの一種「メラノーマ」は、ほくろのような黒い斑点が足の裏や爪下部などで大きくなり、予後が非常に悪いため早期発見が重要になる。今回、英ランカスター大学の研究グループは、ほくろの真下の血管で病変をチェックする新しい検査法を報告した。ここでは、新しい検査法や、ほくろとメラノーマの違いや見分け方ついて見ていく。

「ほくろ」と「メラノーマ」の違い

身体のあちらこちらに見られる黒い斑紋の「ほくろ」。その「ほくろ」ががん化した「メラノーマ(悪性黒色腫)」をご存知だろうか。この「メラノーマ」は皮膚がんの一種になるが、アメリカでは皮膚がんが最も多いがんであり、メラノーマの可能性のある病変については組織の一部を切り取るなどの皮膚生検も日常的に実施されているという。

今回、イギリス・ランカスター大学のAneta Stefanovska氏らの研究グループによって、生検を行わない新しいメラノーマの検査法が開発された。病変の真下を通る血管の血流の変化によってメラノーマと非がん性のほくろを区別することに成功したという。8月11日付けの「Nature Scientific Reports」(電子版)に掲載されている。

そもそも「ほくろ」とは?

ほくろは良性の母斑細胞の集まりで、医学的には「色素性母斑」や「母斑細胞母斑」と呼ばれる。母斑細胞がメラニンを生産することから、褐色から茶色、黒色の斑点として皮膚に現れる。この色素性母斑の大きさが小さいものを一般的に「ほくろ」と呼び、多くは6~7ミリ以下である。先天性、後天性のものがあり、平たんな色素斑であるものや皮膚から隆起したものもある。
隆起が時間とともに大きくなっていく場合にはメラノーマの可能性も考えられる。

「メラノーマ」とはどのようなもの?

非常に悪性な皮膚がんの1つとされる「メラノーマ」。紫外線への当たりすぎが原因になることもあり、メラニン色素を作る色素細胞(メラノサイト)ががん化して出来た腫瘍がメラノーマとされる。がん細胞がメラニン色素を多量に出させて黒色を呈することが多いため、悪性黒色腫とも呼ばれる。



■メラノーマは大きく分けて4つのタイプがある。

病型 発生しやすい部位 症状の特徴
末端黒子型 足のうらや手のひら、手足の爪下部など ・褐色や黒褐色のシミだったものが一部色濃くなる
・シミの一部に潰瘍ができる
・爪に黒褐色の縦方向のスジができ、爪全体に広がることで割れる
・爪周辺の皮膚に、黒褐色のしみ出しが現れる
表在拡大型 体の中心部(背中・胸・腹)や、手足の付け根など ・輪郭が不整である
・まだら状の色
・わずかに盛り上がったシミのように見える
・白色人種に多い
・日本人では肌色が白い人に発生しやすい
結節型 全身 ・全体的に濃い黒色で色素班(染み出し)はみられない
・初期より立体的な構造で結節のようながん細胞の塊が巨大化する
・早い段階で深部に進行、転移も多い
悪性黒子型 顔面、首、手背など ・高齢者の顔面に発生しやすい
・初期は不規則な形状
・初期は褐色から黒褐色の色素班
・進行すると濃い黒色が混ざり拡大する
・進行すると腫瘤や硬結が出現することもある
・成長はゆるやか

不規則に拡大するほくろは「メラノーマ」

解説したように、メラノーマには大きく4つのタイプに分けられる。メラノーマの全体の約30%は、足のうらや手のひら、手足の爪下部などに発生し、このタイプが日本人に最も多い。その他、胸・腹・背中などの中心部や手足の付け根の部位、高齢者では顔面にも発生しやすく、不規則な形の色素斑(しみ)が徐々に拡大していく。

■こんな「ほくろ」には注意

・ほくろやしみの大きさが6㎜以上
・左右非対称
・まわりがギザギザ
・色に濃淡がある
・色や形、大きさが変化する など
上記の場合はこのメラノーマが疑われる。その致死率は80%とかなり高く、転移が早いなど予後が非常に悪いのも特徴だ。

アメリカには浸透していないが、フランスのなどのヨーロッパをはじめ、日本でも皮膚科によっては、「ダーモスコピー検査」でこのメラノーマかどうかを調べることができる。国内では健康保険が適用され自己負担数百円程度で受けることも可能なので、なんといっても早期発見が決め手になる。

■ダーモスコピー検査とは?

ダーモスコープというライトがついた拡大鏡を使用して行う検査である。皮膚の状態を詳しく診察するために行う。
痛みを伴うことなく検査ができ、ダーモスコープで観察することで、色素沈着の状態が悪性かどうかを目視よりも正確に判断することができ、早期発見につながっている。

新しい検査方法:ほくろの真下の「血流の変化」をモニタリングで判断

今回、研究グループでは、悪性病変に血液を供給する血管と、正常な皮膚下の血管を比較した際に、一貫してみられる違いを見つけていた。そこで、通常と異なるほくろのある55人を対象に、レーザードップラ(振動計)を用いて、患者の血流を30分間モニタリングして、血管での血流のわずかな変化を評価した。その後に生検を行った結果、レーザドップラが反応を示した信号では、悪性病変の患者を100%正確に特定していたことが分かった。最終的には、この検査により感度100%、特異度90.9%でメラノーマの患者を特定できたと分かったという。

モニタリング測定の時間などに懸念も

これまでのアメリカの診断法では、実際には陰性の場合でも、医師の診察後に生検を行い、結果として不要な侵襲的処置を行うはめになっていた。研究グループでは、今回の新しい検査を実施していくことによって、そのような現状の生検の数を大幅に減らせる可能性もあるとしている。

一方、アメリカ・ニューヨークのマウントサイナイ医科大学アイカーン医学部のHooman Khorasani氏は、この検査法の欠点を指摘している。患者のモニタリングが長すぎるという点についてだ。アメリカでは、多忙な皮膚科の検査室で患者1人に30分のデータを取るのは現実的ではないとしている。また、1件の研究では不十分で、この検査の有用性の確認に幅広いタイプの患者を対象に大規模試験を実施することで、どれほど正確にメラノーマを特定できるかを明らかにすることが重要であるともしており、さらなる研究が待たれるところのようだ。メラノーマの早期発見には、まだしばらくは「ダーモスコピー検査」が一番のチェック法のようだ。


【出典】
1、http://www.qlifepro.com/news/20190312/malignant-melanoma-heat-conduction.html

参考リンク
レーザーを用いた検査で、メラノーマと非がん性のほくろを100%の精度で区別 QLifePro
http://www.qlifepro.com/news/20150907/in-testing-using-a-laser-distinguish-mole-of-melanoma-and-non-cancerous.html
メラノーマ、ほくろのがん 転移早く高い死亡率 医療QQ
http://qq.kumanichi.com/medical/2010/05/post-1235.php
悪性黒色腫を生検なしで正確に検出できる非侵襲技術を開発 BioOptics World
http://ex-press.jp/bowj/bowj-news/bowj-science-research/9006/
ダーモスコピー、すでに皮膚科開業医にとってルーチンアイテムに ケアネット
https://www.carenet.com/news/general/carenet/33401

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