育児中の母親の孤独感、「SNSでのつながり」も影響

最終更新日:2018年10月22日

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看護師コラム

育児中の母親の孤独感、「SNSでのつながり」も影響

2018.10.10

「ワンオペ(ワンオペレーション)」とは、飲食店などのサービス業において、人手不足の店舗運営を一人でまわしている状態を指すものだ。深夜営業の時間帯に、バイトスタッフが一人で勤務することが常態化していた勤務体制がブラック企業問題にもなった。

この言葉から派生した「ワンオペ育児」は、国内での『孤独な育児』が近年の社会問題となっていることを如実に表している。

育児中の女性が孤独感を持つことは、母親自身の抑うつ・健康状態の低下につながることに加えて、子どもの健康状態の低下・虐待などへの影響の恐れもあるとされている。

京都大学は8月24日、萬代真理恵氏(同大大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 健康情報学分野専門職学位課程学生(現・京都大学医学研究科附属ゲノム医学センター教務補佐員))、中山健夫氏(同教授)、高橋由光氏(同准教授)、家曽美里氏(同博士課程学生)らの研究グループによって、育児中の母親の孤独感には、「SNSでのつながり」や「社会的つながり(家族、友人)」、「経済的状況」、「対人関係のパターン」、「気分不安障害の可能性の有無」が関連していることが判明したことを発表した。

同研究成果は、「BMC Women’s Health」(電子版)に掲載されている。

インターネット・SNS により変化した育児中の母親の環境

インターネット、とりわけ、SNSを利用したコミュニケーションが若者を中心に急増している中で、これまで、育児中の女性の孤独感について、社会的要因として「インターネット上のつながり」を検討した研究はなかった。

また、社会的ネットワークの変化とともに育児中の女性が孤独感を感じるかどうかが変わると考えられるが、社会的要因や、個人的要因である「内的作業モデル」と孤独感との関連について検討した研究もなかった。

若い母親の孤独感、全体平均よりも高く

今回、同研究グループは、滋賀県長浜市で、乳幼児健康診査(期間︰2014年7月28日~9月29日、4か月、10か月、1歳8か月、2歳8か月児健診)の受診に来訪した母親763名を対象に、無記名自記式質問票を配布。

質問項目は、「改訂版UCLA孤独感尺度」、「内的作業モデル尺度の下位尺度『SECURE(安定)尺度』」、「K6、Lubben Social Network Scale短縮版(LSNS-6)」、「通信機器と情報源の種類」など71項目。

孤独感得点を従属変数として、「経済的ゆとり」、「健康状態」、「内的作業モデル安定型(対人関係のパターン)」、「託児の有無」、LSNS-6の4項目、「家族」、「友人」、「ママ友」、「SNS」、「書籍雑誌利用頻度」、「スマートフォン使用時間」、「K6」、を独立変数とする重回帰分析を実施した。

回収した調査票(638部、回収割合89.2%)のうち、欠測を除いた調査票(523部、有効回答割合73.1%)が解析対象

分析結果からは、対象者の孤独感尺度の平均値と標準偏差は36.1±9.7(得点範囲20~80)となった。

重回帰分析の結果、「経済的ゆとりの低さ」、「SNS」、「家族、友人との社会的つながりの低さ」、「内的作業モデル安定型(対人関係のパターンを示す)の低さ」、「気分不安障害の可能性」がそれぞれ孤独感との間に有意な関連が見られた。

また、対象者数は少なったが、ティーンエイジャーである若い母親の孤独感は、全体平均よりも10ポイント近く高く、より孤独感を抱えながら育児を行っている可能性もあるという。

SNSを利用すると孤独感が減少するという因果関係は示さず

今回の研究は横断研究であって、「SNSを利用すると孤独感が減少する」というような因果関係を示すものではない

また、同研究グループでは、研究の対象外となった「健診に来られない母親」が、健康・経済上の問題を抱えているケースでは、今回の対象者よりもさらに孤独感が高い可能性もあるとしている。

今後は、ほかの集団でも同様の結果が得られるか、さらなる研究が期待される。

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