「茶のしずく石鹸」などによるアレルギーに関する研究成果を発表

最終更新日:2020年2月26日

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看護師コラム

「茶のしずく石鹸」などによるアレルギーに関する研究成果を発表

2017.08.25

藤田保健衛生大学は6月19日、は、松永佳世子氏(同大アレルギー疾患対策医療学講座教授)らの研究グループが、「茶のしずく石鹸」などに含まれる「加水分解コムギによるアレルギー」に関する研究成果を発表した。

同研究は、日本アレルギー学会「化粧品中のタンパク加水分解物の安全性に関する特別委員会」における研究として実施されたもので、今回の研究成果は「Journal of Allergy and Clinical Immunology」に掲載されている。

社会問題となった「グルパール19S」含有の「茶のしずく石鹸」

茶のしずく石鹸は、食品添加物グルパールの一種である「グルパール19S」含有の石鹸。日本アがレルギー学会において、同該石鹸を使用していると小麦アレルギー(食べるとショックになる)を発症するという重篤なアレルギーの問題が2009年秋に国内で初めて報告された。

その後、アレルギーの症例が増え続けたことで、2010年10月には厚生労働省が消費者に対して同該石鹸の使用について注意喚起を促し、2011年5月にはメーカーが自主回収を開始するに至った。

これによって大きな社会問題となった同該石鹸は、約467万人に約4650万個が販売されており、国内の成人女性の12人に1人が使用したことになる。(2004年3月~2010年12月の期間)

石鹸使用前の「小麦アレルギー」の既往はなし

同該石鹸がアレルギーを誘発する理由には、グルパール19Sの「加水分解コムギ」の平均分子量が大きいことが示唆されている。

日本アレルギー学会では、「化粧品中のタンパク加水分解物の安全性に関する特別委員会」を設置して同事例に対応。「診断基準の策定」、「検査法の構築」、「発症機序の解明」、「障害実態の把握」、「症例集積方法の確立」などを実施しており、「診療が可能な施設一覧」の情報を提供するなども行ってきた。

今回は、「障害実態の把握」を目的とした疫学調査(2012年4月~2014年10月の期間が対象)の結果を報告している。それによると、全国の医療施設(270箇所)を受診した確実例(2,111例、女性2,025例、男性86例、年齢は1~93歳)において、いずれの症例でも同該石鹸の使用前には、小麦アレルギーの既往は見られなかった

アナフィラキシーショックや呼吸困難などの生命リスクにさらされた症例も

さらに、詳細な症状の例(899例)の内では、「アナフィラキシーショック(25例)」、「呼吸困難(43例)」を経験していることも判明した。

これらのアナフィラキシー等のアレルギー反応を引き起こした原因として、経皮・経粘膜曝露によって、体内に「加水分解コムギ」に対する特異的IgEが産生し、摂取した小麦タンパク質との交差反応によるものと考えられるとしている。

今回の調査結果によって、社会問題にもなった同該石鹸の使用後には、新規の小麦アレルギーを発症し、さらには生命リスクにさらされた実態が把握される結果になった。

また、特別委員会はすでに2015年5月に解散しているが、同疾患の疫学調査は、今後もAMED(日本医療研究開発機構)の「医薬部外品及び化粧品配合成分の安全性確保のための規格等に関する研究」として継続される予定になっている。

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