妊娠中に大事な「葉酸」、過剰摂取は子どもの自閉症リスク増加に!?

最終更新日:2020年2月26日

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看護師コラム

妊娠中に大事な「葉酸」、過剰摂取は子どもの自閉症リスク増加に!?

2016.07.06

「葉酸」というビタミンをご存じだろうか。葉酸は水溶性のビタミンB群の一種で、ほうれん草などの野菜や果物にも多く含まれている。

特に重要視されているのは妊婦の葉酸不足で、妊娠初期(4週~12週)は細胞分裂が一番さかんな時期にあたり、この時期の葉酸不足が原因になって胎児が神経障害を発症しやすくなると言われているためだ。

成人男女では葉酸の1日の必要所要量が200μgであるのに対し、授乳婦では280μgと多くなり、妊婦では成人男女の2倍となる400μgだ。

このように妊娠中の女性は「葉酸」を十分に摂取するよう推奨されるが、今回の新たな研究により、妊娠中の過剰な葉酸の摂取は自閉症リスクの上昇に関連があることが分かった。

妊娠中の摂取が大事な葉酸

ビタミンB群はビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、そして葉酸などが含まれているが、葉酸は血液と関係が深く、ビタミンB12と一緒に赤血球やアミノ酸を合成する。そのため、葉酸が不足するのは貧血のもとだ。

そのため、「葉酸サプリ」と呼ばれる合成葉酸の使用された強化食品やサプリメントなどが国内でも流通しており、成人女性の2倍の摂取量が必要となる妊婦などでは、葉酸を含むビタミン不足を防ぐためにサプリメントを摂取するケースもある。

米国産婦人科学会(ACOG)では、胎児の神経管欠損症の予防として妊婦の葉酸摂取を推奨している。過去の研究では、葉酸やビタミンB12の摂取によって胎児の自閉症予防になることも示されていた。

過剰摂取では胎児のASDが最大17倍に

しかし、アメリカ・ボルチモアで開催された国際自閉症学会(IMFAR)で発表された研究報告によると、出産時の血中葉酸値が「非常に高い」とされた母親では、「正常値」の母親に比べて自閉症児が生まれた確率が2倍、ビタミンB12の値が高い場合は3倍となっていたことが分かった。

これによると、母親の葉酸値やビタミンB12の値が高すぎることで、発達障害の一種である自閉症スペクトラム障害(ASD)のリスクが上昇する可能性が示唆されたという 。さらに、葉酸とB12のいずれの値もが過多となった母親のリスクは最も高く、いずれも正常値の場合と比較して17倍以上であった。同報告では、関係性を示唆したものの、因果関係は明らかにされていないとしている。

遺伝的な可能性も、一度は摂取量の確認を

また、同研究では、(特に妊娠期間の前半に)葉酸とB12のサプリメントの服用を週3~5回程度行っていた女性では、自閉症児が生まれる確率が低かったことも報告されている。

過去に行われた低所得の少数者集団を中心とした出生コホート研究の結果では、食事やサプリメントによる過剰摂取に限らず、遺伝的なもので母親の体内の葉酸やB12の値が高くなった可能性もあるという。

厚労省による葉酸の許容上限摂取量 は1日1,000μgとされているが、女性は食事やサプリメントの影響について産科医に相談した方がよいかもしれない。

アメリカの自閉症擁護団体「Autism Speaks」では、推奨される葉酸を摂取することで全体的な自閉症リスクを低減することに変わりはないとしている。

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