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不妊治療で国内初となる民間バンクからの匿名卵子提供

公開日:2015.10.06
最終更新日:2021.07.06

さまざまな理由で妊娠がむずかしい女性の中には、卵子提供について関心がある人もいるだろう。卵子提供登録支援団体のNPO法人「OD-NET」は2015年7月27日に女性患者2人が第三者からの卵子提供で、受精卵を作製したと発表した。ここでは国内での卵子ドナーの事例や生殖補助医療、親子関係を認める法律について詳しく解説していく。

NPO法人「OD-NET」で第三者からの卵子提供の事例

病気などが原因で妊娠できない女性に卵子を無償で提供する取り組みを進めているNPO法人「OD-NET」(卵子提供登録支援団体、神戸市)は、7月27日(2015年)、女性患者2人が第三者からの卵子提供で受精卵を作製したと発表した。民間の卵子ドナーバンクを通じた匿名の第三者からの国内初の卵子提供になる。

同団体は、2015年4月29日、ドナーの募集に応じた匿名の女性2人による卵子提供について、不妊治療クリニックなどの協力機関で作る同法人の倫理委員会で承認されたことを明らかにしていた。

■同団体による卵子提供はその後も
また、同団体は、2016年3月28日にも早発閉経の女性に対し、卵子提供を行ったことを明らかにした。3組目となるこの卵子提供では、女性の出産自体は可能なため、感染症がないことを確認した上で夫の精子と合わせて受精卵を作製し、女性の子宮に移植するという形がとられた。

凍結保存した受精卵での出産事例

不妊治療施設「加藤レディスクリニック」(東京都新宿区)は2015 年4月27日、乳がん患者の卵子や受精卵の凍結によって4人が出産したことを発表した。

同クリニックによると、2001年11月から今月までの14年間に同クリニックを受診した乳がん患者のうち、未婚女性81人、既婚女性57人がそれぞれ卵子、受精卵を凍結保存した。がん患者は抗がん剤などによる治療で不妊になることがあるが、このうち治療の前の凍結保存で未婚女性1人と既婚女性13人の卵子・受精卵で妊娠を試み、既婚女性の4人が出産したという。

同クリニックの加藤院長は、採卵の年齢制限や乳がん治療に影響しない採卵方法などの整備が今後の課題とした。

生殖補助医療(ART)による不妊治療

近年の新たな不妊治療法である生殖補助医療(ART)。未受精卵を体外に取り出して、精子と併せて受精卵にして子宮に移植する体外受精、体外受精では受精が起こらない精子を顕微鏡下で卵子に注入する顕微授精、体外受精を行った時に凍結保存した受精卵を用いる融解胚移植がある。

生殖補助医療についての法整備・補償制度の確立が求められる

第三者からの精子・卵子の提供や代理出産技術などで不妊治療の選択肢が増えていることで、近年では海外で治療を受ける夫婦が増えている。しかし、国内では法整備が整っていないのが現状だ。

2015年、横浜市で開かれた日本生殖医学会による生殖医療従事者向けの講習会で「OD-NET」の岸本代表は、これまでマッチングしてきた夫婦と卵子の提供者の半数以上が治療を断念してきたことや、仲介した国内での卵子提供が近く2組行われることなどから、国内での法整備やドナーの補償制度の確立などを訴えていた。

生殖補助医療で生まれた子との親子関係を認める法律が可決

そんな中、2020年12月「生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律」成立した。これにより、第三者から精子や卵子の提供を受けて、体外受精などの生殖補助医療で生まれた子についても、親子関係が認められる。認められるタイミングは誕生直後で、卵子提供を受けた場合には、出産した女性が母親となり、精子提供に同意した夫は生まれた子の父親となる。

今回の法律により、生殖補助医療の利用へのハードルは一部下がることが考えられるが、その提供ルールについてはまだ詳しく設けられていない。子ども本人の出自を知る権利についてもいまだ定められていないことも懸念点となるだろう。

多様な生き方の尊重と、ルール化が求められる

国内での卵子提供の事例や、不妊治療について解説してきた。さまざまな理由により自分たちだけの力では子どもを作れない時、生殖補助医療の活用を検討する人もいるだろう。親子関係を認める法律が成立したことで、トラブルは現象すると考えられるものの、卵子提供のルールなどいまだ未整備な部分は多い。今後、早期のルール化が求められるだろう。


【出典】
1、https://www.sankei.com/west/news/160328/wst1603280083-n1.html

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