臨床検査技師コラム

最終更新日:2019年9月20日

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臨床検査技師コラム

「お米」型の経口ワクチンの共同研究、対象を拡大

2017.06.30

コレラ菌などの細菌が原因となって発症する下痢症とは異なり、ロタウイルスやノロウイルスなどのウイルス感染が原因となって誘発される下痢症に『ウイルス性腸管下痢症』がある

ノロウイルスは、感染性胃腸炎や食中毒などを誘発するウイルスとしても知られているが、このノロウイルスでは、口から侵入したウイルスは腸管内で増加し、吐き気やおう吐、下痢、腹痛などの様々な症状を引き起こす。

健常人では比較的症状が軽いが、体力のない乳幼児や高齢者などは重症化するケースもあり、吐物を喉に詰まらせて死に至る場合もある。

東京大学医科学研究所とアステラス製薬株式会社では5月11日、コメ型経口ワクチン「MucoRice(ムコライス)」を活用した共同研究について、対象範囲をウイルス性腸管下痢症にも拡大する契約を締結したと発表した。

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皮膚がん・メラノーマの増殖を阻害する化合物を発見

2017.06.26

「メラノーマ(悪性黒色腫)」は早期から転移を起こす皮膚がんの一種で、致死率は最も高く、その予後は非常に悪いとされる。メラノーマは、シミ・ホクロの色素成分「メラニン」の産生細胞で、皮膚や粘膜などにある「メラノサイト」ががん化したものだ。

近年、このメラノーマの新たな治療薬の開発は進んでいるが、抗がん剤の長期連用が原因で、がん細胞が『抗がん剤抵抗性』を獲得する他、重篤な副作用が現れることも問題になっている。そのため現状では、このメラノーマに特異的に作用し、かつ副作用が少ない抗がん剤の開発が課題になっている。

近畿大学では5月9日、杉浦麗子氏(同大薬学部創薬科学科分子医療・ゲノム創薬学研究室教授)、佐藤亮介氏(同助教)らの研究グループが、細胞増殖シグナルの1つの『ERK MAPキナーゼシグナル』が過剰に活性化するがん細胞において、がん細胞の増殖を阻害する新たな化合物として「ACA-28」を発見したと発表した。

同研究成果は、5月9日付けの「Genes to Cells」に掲載されている。

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再生医療クリニックに停止命令、国に無届けで出臍帯血移植など

2017.06.20

2014年9月に世界初のiPS細胞を用いた移植手術が行われるなど、 注目を浴びる再生医療。従来の治療法では効果のなかった疾患に対する治療が可能になるなどの期待が高まっている。

しかし、この再生医療はまだ新しい医療であるため、医療の安全性の確保することが重要視され、同年11月には「再生医療安全性確保法」が施行されている。

そこでは再生医療における安全性の確保として、実施する治療内容・安全確保の措置などを記載した計画書の提出が義務付けられており、違反した場合には罰則規定がある

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細胞核の弾性を支えるバネの役割を持つのはDNA

2017.06.14

ヒトの体を構成している細胞では、自らが力を生み出し、外からのストレスを受けるなかで様々な機能を果たしている。

例えば、体重を支えるために体のほとんどの細胞には強い力がかかるが、心臓・骨格の筋肉を形成する細胞では強力な力によって繰り返し収縮することが分かっている。

また、体内を動き回っている細胞は、組織の間を通過する際に大きな圧力を受けており、その際の力(ストレス)がDNA収納場所の細胞核にも伝わるため、核が歪み、DNA機能の阻害になるとも考えられている。

このDNA機能へのストレスの影響は、細胞死・細胞のがん化などとも関連するために細胞核の硬さ・弾性などの性質のみを直接測定することが困難で、このストレスに応答するような細胞核におけるメカニズムは解明されていない。

情報・システム研究機構国立遺伝学研究所では4月21日、島本勇太氏(同研究所准教授)と前島一博氏(同教授)らの研究グループが、物理の先端技術と生化学の研究手法によって、細胞核の「強さ」が産み出される仕組みを発表した。

同研究成果は「Molecular Biology of the Cell」誌にハイライトとして掲載されている。

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中皮腫の診断に有用なマーカー「SKM9-2」

2017.06.08

がんの一種である悪性中皮腫(中皮腫)は、化学療法や放射線療法には抵抗性を示すがんであるため、現状では、早期発見・早期手術のみが有効な手段となっている。

しかし、この中皮腫の早期発見が出来る『中皮腫がんマーカー』は存在せず、中皮腫の早期発見は極めて困難なのが現状だ。

また、胸膜転移を起こしたがんや良性の反応性中皮細胞の増殖が、中皮腫と病理学的には類似していることや、中皮腫は複数の組織型に分かれることで、鑑別診断が難しくなるケースもある。

日本医療研究開発機構(AMED)では4月26日、辻祥太郎氏(神奈川県立がんセンター臨床研究所主任研究員)と今井浩三(同顧問)らの研究グループが、中皮腫の診断に有用な新たな『中皮腫がんマーカー』を発見したと発表した。 同研究成果は、3月31日付けの「Scientific Reports」に掲載されている。

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慢性腎臓病の進行抑制には『腸内細菌叢』のバランス制御が重要

2017.05.25

腎機能が慢性的に低下していく慢性腎臓病は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が原因になって生じる疾患で、最終的には透析を必要とする「末期腎不全」に陥るほか、脳心血管疾患の発症率・死亡率も高まることが分かっている。

国内ではこの慢性腎臓病を成人の8人に1人が発症するとされるが、現時点では進行後の慢性腎臓病に対する有効な治療はほとんどなく、病気のメカニズム解明や、進行抑制に効果のある新しい治療法の開発が望まれている。

東北大学と慶應義塾大学は共同で4月13日、阿部高明氏(東北大学大学院医学系研究科病態性制御学分野および医工学研究科教授)と三島英換氏(医学部助教)、福田真嗣氏(慶應義塾大学先端生命科学研究所特任准教授、JSTさきがけ研究者)らの研究グループが、慢性腎臓病の病態において腸内細菌叢が関与していることを発見したと発表した。

同研究成果は、4月10日付けの国際腎臓学会学術誌「Kidney International」(電子版)に掲載されている。

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「高トリグリセリド血症」の新たな発症メカニズムを発見

2017.05.19

脂質異常症の一種である「高トリグリセリド血症(高TG血症)」は、血液中に含まれるトリグリセリド(TG、中性脂肪の1つ)が「150 mg/dL以上」と多くなる。もともと中性脂肪は体内、特に皮下脂肪の大部分を占めており、「内臓脂肪型肥満」になると高TG症を発症しやすい

群馬大学では4月6日、村上正巳氏(同大大学院医学系研究科臨床検査医学・医学部附属病院検査部教授)、中嶋克行氏(協力研究員)らの研究グループとStephen G. Young氏(米カリフォルニア大学ロスアンゼルス校(UCLA)教授)、藍真澄氏(東京医科歯科大学教授)らの共同研究によって、新しい脂質異常症のメカニズムとして、血管内皮細胞のアンカー型タンパク質「GPIHBP1」に対しての自己抗体が原因となって高TG血症を発症するメカニズムを解明することに成功したと発表した。

同研究成果は、4月5日付けの医学雑誌「The New England Journal of Medicine」(電子版)に掲載されている。

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ヒトiPS細胞由来心筋組織移植による重症心不全の再生医療

2017.05.12

重症心不全に対する新たな医療として世界的に進められている「ヒト多能性幹細胞由来の心筋細胞」を用いた再生医療研究

東京女子医科大学では3月30日、松浦勝久氏(同大学先端生命医科学研究所・同医学部循環器内科准教授)らの研究グループと同大学心臓血管外科の共同研究によって、下大静脈周囲に移植したヒトiPS細胞由来の心筋組織が、その拍動に伴い血管内に脈圧を生み出すことを見出し、心筋組織移植の循環補助への応用の可能性も示したと発表した。

同研究成果は、同日付けの国際科学誌「Scientific Reports」(電子版)に掲載されている。

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甲状腺刺激ホルモンの制御に「睡眠の質」が影響

2017.05.02

喉仏の下に位置する「甲状腺」は、性ホルモンなどの数種類のホルモンを作る内分泌器官の1つで、近年では、甲状腺ホルモンの分泌を促す『甲状腺刺激ホルモン(TSH)』の高感度測定法が開発されたことにより、甲状腺機能のスクリーニング検診や甲状腺機能異常の薬物療法の調節などが行われている。

このヒトの甲状腺刺激ホルモン(TSH)の制御には、脳視床下部で産生される「甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)」が関わっているが、それ以外の他の脳機能・臨床因子などがかかわる可能性はほとんど分かっていなかった。

兵庫医科大学では3月13日、角谷学氏(同大学内科学(糖尿病・内分泌・代謝科)講座助教)、小山英則氏(同主任教授)らの研究グループが、この甲状腺刺激ホルモン(TSH)の制御に「睡眠の質」が影響を及ぼしていることを発見したと発表した。

同研究成果は、に同日付けの「Scientific Reports」に掲載されている。

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心不全関与の新規ミトコンドリアタンパク質の機能解析

2017.04.24

心臓のポンプ機能が低下して起こる心不全。その原因は、心臓の一拍一拍における拍動や収縮に必要なエネルギーが不足していることだ。エネルギーは心臓の「ミトコンドリア(細胞小器官)」で産生されることが分かっている。

この「ミトコンドリア」はエネルギー産生を担う一方で、酸化ストレス・細胞死などを制御する役割もあり、その『質的異常』・『量的異常』が注目されている。

京都府立医科大学では3月9日、有吉真氏(同大学大学院医学研究科循環器内科学助教)、的場聖明氏(同教授)らの研究グループが、心不全の病態に関わる機能未知だった新規ミトコンドリアタンパク質が 『D-アミノ酸』の代謝に関わる酵素だったことを突き止めたと発表した。

同研究論文は、3月7日付けの科学雑誌「Scientific Reports」(電子速報版)に掲載されている。

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