アミノ酸の一種『L-セリン』摂取が、体内時計の針合せを前進

最終更新日:2018年7月21日

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臨床検査技師コラム

アミノ酸の一種『L-セリン』摂取が、体内時計の針合せを前進

2018.01.11

人の体に備わっている約24時間で刻まれる「体内時計」

この「体内時計」が、睡眠・覚醒状態、ホルモン分泌・血圧などの生理活動を地球上の昼夜リズムに合わせるように制御している。

一方で、現代社会では、不規則な生活・頻繁な時差ぼけ、夜間のパソコン・スマートフォンの光を見続けるなどの生活習慣が、体内時計を乱しやすく、この「体内時計の乱れ」によって、がん・糖尿病、高血圧、肥満などの生活習慣病リスクが高まることが分かっている。

九州大学は10月26日、安尾しのぶ氏(同大大学院農学研究院准教授)、樋口重和氏(芸術工学研究院教授)、株式会社ファンケルと共同研究から、アミノ酸の一種「L-セリン」の摂取によって、光による体内時計の「針合わせ」が強められることを明らかにしたことを発表した。

同研究成果は、「Journal of Nutrition」に掲載されている。

生活リズムの乱れによる体内時計の「針合わせ」の遅れ

もともと、人の体内時計は24時間より長く、朝の光を浴びることで毎日「針合わせ」が行われているが、頻繁に生活リズムが狂うとこの「針合わせ」が追いつかない

今回、共同研究グループでは、マウスを用いた実験によって、20種類のアミノ酸のうち、「L-セリン」の摂取によって、体内時計の光による針合わせが強められることを発見した。

セリンは、牛乳・大豆、高野豆腐、イクラ、かつお節、海苔などの食品に多く含まれる。構造の違いで、「D-セリン」と「L-セリン」(D型とL型)に分けられ、「L-セリン」の不足は統合失調症の症状との関連があることも報告されている。

「L‐セリン」の摂取と朝の光によって「針合わせ」を前進

マウスの昼夜リズムを6時間ずらして人工的な時差ぼけを誘導した上で、L-セリンを決まった時間に摂取した実験では、体内時計の針が早く進み、新しいリズムに早く同調したことを確認。

また、男子大学生を対象にして、夜に「L-セリン」を摂取させ、朝に光を照射した実験では、学生の体内時計の針を示すメラトニンの分泌開始時刻が大きく前進することを確認し、人においても「L-セリン」によって、体内時計の「針合わせ」が強められることを実証したといい。

体内時計の乱れ・時差ぼけの改善に期待

今回の研究成果から、アミノ酸「L-セリン」を多く含む食品を摂取するなど、栄養学的な観点から「体内時計の乱れ」・「時差ぼけ」を改善できることが期待される。

また、海外旅行の際に生じる時差ぼけや、週末に3時間以上朝寝坊することで生じる「社会的時差ぼけ」の改善、「シフトワーカー」の健康管理、生活リズムの乱れによる不眠の改善、つい夜ふかししてしまった際の体内時計の修正など、広い範囲での応用が考えられる。

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