ゲノム解析による新がん治療へ、ヤフーと九大病院

最終更新日:2019年9月19日

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臨床検査技師コラム

ゲノム解析による新がん治療へ、ヤフーと九大病院

2017.10.25

年々増加傾向にあるがんの罹患数や超高齢化社会における医療費用・介護費用などの社会保障費の財源確保などは国内の喫緊の課題になっており、その解決のために健康寿命・アクティブ寿命の増進に向けた取り組みが進められようとしている。

ヤフーは、九州大病院別府病院(大分県別府市)、大分県別府市医師会と共同で、がん患者対象の遺伝子検査(一般向け遺伝子多型検査)の情報活用によって病気発症リスク・体質を調べて個別に最善の治療法を提供することの有用性を実証するための研究を開始する。

「Yahoo!ヘルスケア」の「HealthData Lab」プロジェクト

ヤフーは2014年から開始している、病気・薬、健康などの情報提供サービス「Yahoo!ヘルスケア」が取り組むプロジェクト「HealthData Lab」において、一般向けに2mlの唾液などでその人の「約100項目の健康リスク」、「約200項目の体質傾向」から病気の発症リスクを予測する遺伝子検査サービスを提供していた。

(同サービスでは、「医療」行為の提供ではないため、利用者へ遺伝子多型情報を開示する際は、「診断」に該当される箇所はなく、ごく一部のみに限定したサービスを提供。)

別府病院の消化器がんや乳がん患者対象に遺伝子多型情報を取得

今回の共同研究の対象となる一般向け遺伝子多型検査では、この「Yahoo!ヘルスケア」における取り組みを踏まえ、個人情報の取り扱いなどの同意を得た上で、別府病院の消化器がんや乳がん患者を対象に、ヤフーより送付する遺伝子多型情報の採集キットによって遺伝子多型情報を取得

(がん組織のシーケンス解析は、九大別府病院が東京大学大学院新領域創成科学研究科に委託、体細胞の変異情報などを取得する)

個人情報を含む取得データはヤフーが管理し、これまでは利用者へ開示しなかった個人差が現れる配列部位である遺伝子多型情報(SNP情報)を同サービス上で研究に参加する医療者(別府市内のクリニック13ヶ所)を閲覧可能とし、医療者向けの遺伝子多型データベース「GwasCatalog」収載の約5万遺伝子多型情報の閲覧機能も追加する予定だ。

これによって、再発に関する遺伝子変異、患者ごとに遺伝子レベルで有効性が示唆される抗がん剤候補の提示、将来の健康リスク・周術期の健康リスクの予測など、患者の症状・生活スタイルに合った投薬や治療法を選択できるようになり、より高度な『個別化医療』への応用を進めていく

かかりつけ医や基幹病院の連携で、退院後の健康推進体制の確立を

同社によると、今回の共同研究では、まずは、希望患者約50人を対象に開始。外科手術で摘出したがん原発巣(がん組織)のゲノム解析と唾液によるSNP情報の分析を実施。

その後、かかりつけ医(地元の開業医クリニック)や行政・病院、大学などとも積極的に連携して、患者の退院後の体調管理・再発防止の体制づくりや医療分野における課題解決を進めるとしている。

別府市では、「ゆけむり医療ネット」と呼ばれる基幹病院(九大別府病院など)と、かかりつけ医(個人開業医クリニック)間で医療情報を共有することを可能とするネットワークを構築してきた。

今回の共同研究では、遺伝子診断技術の活用によって、「がん患者の手術後の長期的管理医療ネットワーク」を構築していく。

別府市内の医師会関連病院間における情報網とヤフーのセキュリティ技術などを組み合わせ、全国の温泉保養都市に先駆けて健康増進を目指す。

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