カルシウムが筋肉形成過程のきっかけに

最終更新日:2019年12月5日

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臨床検査技師コラム

カルシウムが筋肉形成過程のきっかけに

2015.05.07

「体脂肪が燃えやすい」カラダになるには、筋肉の中でも骨格筋の量を増やすことによって運動の際に消費するカロリーを増やし、基礎代謝量を上げて、普段からカロリーを消費しやすい身体にする。
理化学研究所は2月17日、この骨格筋が形成される際には、小胞体内からカルシウムの放出が起きており、カルシウムが筋肉の形成される過程のきっかけとなっていることを見いだしたと発表した。
2月12日付のアメリカの科学雑誌The FASEB Journal(電子版)に掲載された。

骨格筋の形成

骨格筋は筋繊維の束であり、筋繊維は数多くの筋芽細胞が融合したものだ。
骨格筋の形成には、筋芽細胞外からの刺激を受け取ることで起こる筋芽細胞内の遺伝子発現の変化とタンパク質の合成が必要になる。
研究チームは細胞内の細胞小器官である小胞体からの刺激が筋芽細胞内のタンパク質の合成に関わっていることを発見していた。

小胞体内のカルシウムの働き

細胞小器官の一つである小胞体は、カルシウム枯渇などが原因の小胞体ストレス時に筋芽細胞に刺激を与える
この小胞体ストレスで小胞体内は部分的に変形して球やリング状に見える特殊な構造で研究グループがSARC体(Stress Activated Response to Calcium depletion body)呼ぶ構造が一過的に形成されるとした。
カルシウムの貯蔵器官でもある小胞体はカルシウムを放出しながら細胞内のカルシウム濃度を調節している。
この小胞体からカルシウムを放出する通路を制御して小胞体内のカルシウム枯渇を防いだところ、SARC体はできず、小胞体ストレスが見られなくなり、筋芽細胞内のタンパク質の合成も起きなくなった。
正常な筋肉の形成過程において必要な小胞体ストレスは、小胞体内のカルシウム濃度低下によって起こり、小胞体からのカルシウム放出が筋肉を作るための刺激となることがわかった。

筋委縮の予防・改善に期待

今回の発見によって、小胞体におけるカルシウム濃度を抑制して、筋芽細胞におけるタンパク質の合成を促進することで骨格筋の形成を効果的に促進する方法を開発する可能性を見出した。
研究グループでは、病気や高齢化などで筋肉がやせていく筋萎縮の予防や改善にも役立つとしている。
今後は、タンパク質が合成して筋肉が形成される過程においてカルシウム濃度が抑制された場合に起こる睡眠や食欲などの生理的機能への影響も注目される。

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