産総研など「多色発光基盤技術」を開発、安全性・汎用性の高さ

最終更新日:2018年9月26日

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臨床工学技士コラム

産総研など「多色発光基盤技術」を開発、安全性・汎用性の高さ

2018.06.28

産業技術総合研究所と慶應義塾大学は5月16日、金誠培氏(産総研環境管理研究部門環境微生物研究グループ主任研究員)と、鈴木孝治氏(慶應義塾大学理工学部応用化学科名誉教授)、チッテリオ・ダニエル氏(同教授)、西原諒氏(同大学大学院理工学研究科博士課程、2017年9月修了)らの共同研究によって、新たな「蛍光色素付き発光基質類」を開発し、生物発光の多色化を実現したことを発表した。

同研究成果は、米国化学会の学術誌「Bioconjugate Chemistry」(電子版)に掲載されている。

「発光酵素」と「発光基質」による『生物発光』の現象

ホタルや海洋性生物のウミシイタケなどの生体内には、生物由来の生物発光酵素(光を放つ化学反応を触媒する酵素)が存在する。

この生物発光酵素は、生物発光基質との間で特異的な触媒反応を見せて、発行基質が貯めている化学エネルギーを光として放つ『生物発光』と呼ばれる現象を引き起こす。

生物発光は、一般には生体に無害であり、複雑な検出器も必要としないので、様々なバイオアッセイ(生物検定)における発光標識としても用いられている。

しかし、蛍光と比較すると「バックグランド信号」が低く、また、高感度な発光標識ではあるものの発光そのものが弱く、発光色も限られている。

これらを克服する発光技術は、より高性能なバイオアッセイ系の開発の他、基礎医学から産業応用まで波及効果が大きいとされている。

慶大の「発光基質」と産総研の「発光酵素」を組み合わせ、新たな生物発光

慶大は、これまでに多様な化学構造の「発光基質」を開発している世界的なパイオニアだ。また、産総研では「人工生物発光酵素(ALuc(R))群」に関する独自の研究分野を開拓してきた。この慶大の発光基質技術と産総研の発光酵素技術を組み合わせて、新たな生物発光技術の開発がスタートし、今回、天然の生物発光基質(セレンテラジン、nCZT)に様々な蛍光色素を導入して一連の「蛍光色素付き発光基質」を開発。

産総研の保有するALucやRLuc(ウミシイタケ生物発光酵素)と反応させると、青色・赤色などの多彩な発光色を得ることに成功した。

高感度診断薬の開発や、がんの早期診断への応用にも期待

この色の変化は、発光基質のエネルギーが蛍光色素に移動する現象(化学発光/生物発光共鳴エネルギー移動現象(CRET/BRET))によるもの。

開発した発光基質の一部は、発光酵素と選択的に発光、特定の発光酵素だけを発光させることができるという。

今回の研究成果から、同研究グループでは、高感度診断試薬の開発、がんの早期診断、各種バイオアッセイ、生体イメージングなどに広く利用することが期待できるとしている。

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